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1. 承認概要 | ||
新有効成分 2014年3月 / 2014年5月 発売 | ||
2. 薬効分類名 | ||
抗ウイルス化学療法剤 | ||
3. 一般的名称 | ||
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩 | ||
4. 適応症 | ||
B型肝炎ウイルス(HBV)の増殖を伴い肝機能の異常が確認されたB型慢性肝疾患におけるHBVの増殖抑制 | ||
5. 類薬との比較 | ||
【背景】 核酸アナログ製剤でB型肝炎に用いるのは、これまでラミブジン(ゼフィックス)、アデホビル(ヘプセラ)、エンテカビル(バラクルード)の3製剤でした。 同成分でHIV治療剤のビリアードがあります。 1999年まではインターフェロン療法のみでしたが、注射剤であり、また有効性は高くありませんでした。 2000年に、有効性が高く副作用が少ない内服薬のラミブジンが登場しました。しかし、長期使用による耐性株の出現が問題となりました。 2004年には、ラミブジン耐性ウイルスに併用で用いて効果のあるアデホビルが登場しました。 さらに2006年には、ラミブジンより強力で耐性のできにくいエンテガビルが登場し、核酸アナログの第一選択薬となりました。 | ||
6. 特徴 | ||
【特徴】 1.耐性が出現しにくい薬剤です ・これまでラミブジン耐性でエンテカビルが奏功しない場合などは選択肢がありませんでしたが、本剤の登場によって選択肢が増えました。 ・海外第3相臨床試験のフォローアップ試験では、6年間の観察でテノホビルに関連した耐性変異の発現は確認されていません。 これらのことから「B型肝炎治療ガイドライン」2014年6月では、エンテカビルと並び核酸アナログ製剤の第一選択薬になりました。 (ただし、35歳未満で肝臓の繊維化が進んでいない場合にはできる限り耐性化を避けるため、インターフェロンによる治療が中心となります) 2.食事の影響を受けません(エンテカビルは空腹時投与です) 3.挙児希望の場合に使いやすい薬剤です ・FDA胎児危険度基準で、テノホビルはカテゴリーBとなっています。 一方、ラミブジン、アデホビル、エンテカビル、インターフェロンはカテゴリーCとなっており、ご出産を希望される場合に比較的使いやすい薬剤です。 【作用機序】 核酸アナログ製剤は「逆転写酵素阻害薬」です。 逆転写酵素阻害薬は、B型肝炎ウイルスのDNAを作る時、RNAを基にして合成されます。 このとき、必要な逆転写酵素を阻害し、これによりウイルスの増殖が抑制されます。 【承認状況】 海外では、2008年8月に米国で承認されて以降、2013年11月現在、世界113の国と地域でB型慢性肝疾患治療薬として承認されています。 【用法・用量】 通常、成人にはテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩として1回300mgを1日1回経口投与します。 | ||
7. 使用上の注意と服薬支援 | ||
【薬剤師への注意】 (1) B型肝炎に対する治療を終了する場合には、投与終了後少なくとも数ヵ月間は患者の臨床症状と臨床検査値の観察を十分に行います。 (2) 投与中止により肝機能の悪化若しくは肝炎の重症化を起こすことがあります。患者が自己の判断で投与を中止しないように十分指導してください。 (3) 腎機能障害患者では血中濃度が上昇するので、腎機能の低下に応じた投与方法を実施します。 (4) HIV/HBV重複感染患者では薬剤耐性HIVが出現する可能性があるため、本剤のみの投与は避けます。また、本剤を投与する前にHIV感染の有無を確認します。 【患者さんへの説明例】 (1) B型肝炎ウイルスの遺伝子が複製されるのを抑えてウイルス量を減らし、肝機能を改善します。通常、B型慢性肝炎およびB型肝硬変の治療に用います。 (2) 飲み忘れた場合は、気がついた時点ですぐに1回分を服用してください。 ただし、次に服用する時間が近い場合は服用しないで、次の通常の服用時間に1回分を服用してください。絶対に、2回分を一度に飲んではいけません。 (3) B型慢性肝炎、B型肝硬変の症状は、なかなか自分では気付かないため、定期的に受診することが大切です。 | ||
8. 製造販売元など | ||
製造販売元:グラクソ・スミスクライン株式会社 お問合せ先:グラクソ・スミスクライン株式会社 カスタマー・ケア・センター 0120-561-007 |