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1. 承認概要 | ||
新有効成分 2014年3月 / 2014年5月 発売 | ||
2. 薬効分類名 | ||
経口アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害剤 | ||
3. 一般的名称 | ||
エンザルタミドカプセル | ||
4. 適応症 | ||
去勢抵抗性前立腺癌 | ||
5. 類薬との比較 | ||
前立腺癌に適応を持つ抗アンドロゲン剤として、プロスタール(クロルマジノン酢酸エステル)、オダイン(フルタミド)、 カソデックス(ビカルタミド)があります。さらに、ザイティガ(アビラテロン)が2014年4月に承認了承されています。 | ||
6. 特徴 | ||
【特徴】 前立腺がんの中でも「去勢抵抗性の前立腺癌」に対して用いられる薬です。 新有効成分含有医薬品で、米国では2012年8月に、欧州では2013年6月に承認されており、 35の国または地域で承認済みです。 【去勢抵抗性前立腺癌とは】 前立腺癌は、男性ホルモンであるアンドロゲンによって増殖する癌であることから、アンドロゲンを産生する精巣を摘除する外科手術(外科的去勢法)や、 アンドロゲンの作用を抑制するホルモン療法が行われます。しかしホルモン療法を長期間継続すると、徐々にホルモン療法に抵抗性を示す癌細胞が増えてしまうことが知られています。 この状態が外科的去勢後に症状が増悪した患者と合わせて「去勢抵抗性前立腺癌」と称されます。 去勢抵抗性前立腺癌の治療には、タキサン系抗癌薬のドセタキセル(商品名タキソテールほか)などが使用されています。 しかし、化学療法後に進行がみられた去勢抵抗性前立腺癌に対する治療法はこれまでありませんでした。 【作用機序】 イクスタンジンは、腫瘍組織でアンドロゲン(男性ホルモン)がアンドロゲン受容体に結合することを競合的に阻害します。 これにより、同受容体を介したシグナル伝達が阻害され、腫瘍増殖が抑制されます。 【副作用】 国内外の臨床試験では、66~69.3%に副作用が認められています。 主な副作用は、高血圧、便秘、疲労、食欲減退、体重減少、心電図QT延長、無力症、ほてり、悪心などであり、重大な副作用として痙攣発作があります。 【用法・用量】 通常、成人にはエンザルタミドとして160mgを1日1回経口投与します。 | ||
7. 使用上の注意と服薬支援 | ||
【薬剤師への注意】 (1) 化学療法未治療の前立腺癌における有効性及び安全性は確立していません。 (2) 外科的又は内科的去勢術と併用しない場合の有効性及び安全性は確立していません。 (3) 「臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行います。 【患者さんへの説明例】 (1) このお薬は、男性ホルモンの作用をブロックすることにより前立腺がん細胞の増殖をおさえる治療薬です。 (2) 噛んだり、溶かしたり、開けたりせず、そのまま飲み込んでください。 (3) 飲み忘れた場合は、すぐに処方された1回分を服用してください。 丸1日服用を忘れた場合は、忘れた分を服用せずに、翌日に処方された1回分を服用してください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。 (4) まれに、痙攣発作を起こすことがありますので、自動車の運転などの危険を伴う機械の操作には注意してください。 | ||
8. 製造販売元など | ||
製造販売元:アステラス製薬株式会社 お問合せ先:アステラス製薬株式会社 営業本部DIセンター 0120-189- 371 |