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1. 承認概要 | ||
新有効成分・新医療用配合剤 2014年3月 / 2014年5月 | ||
2. 薬効分類名 | ||
抗悪性腫瘍剤 | ||
3. 一般的名称 | ||
トリフルリジン・チピラシル塩酸塩配合錠 | ||
4. 適応症 | ||
治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌(標準的な治療が困難な場合に限る) | ||
5. 類薬との比較 | ||
6. 特徴 | ||
【特徴】 がん細胞の増殖に必要なDNA機能を抑制するトリフルリジン(FTD)と、FTDの代謝を抑制して有効血中濃度を維持するチピラシル塩酸塩(TPI)を組み合わせた経口配合剤で、 世界に先駆けて日本で初めて承認された医薬品です。FTDの用量はT15が15mg、T20で20mgです。 体表面積に応じて初回投与量を決め、1日2回5日間連続投与して2日間休薬します。 このサイクルを2回繰り返した後に14日間休薬し、これを1コースとして繰り返します。 標準治療が困難な場合に使用が限られ、治癒切除不能な進行・再発がんへ適応を持つベクティビックス(パニツムマブ、武田薬品)や、 エルプラット(オキサリプラチン、ヤクルト)、スチバーガ(レゴラフェニブ、バイエル)に抵抗性の場合に用います。 【作用機序】 ロンサーフの抗癌活性成分であるFTDは、経口投与することで直接DNAに取り込まれてDNA機能障害を起こすことで抗腫瘍効果を示すと考えられています。 TPIはFTDの分解酵素であるチミジンホスホリラーゼ(TPase)を特異的に阻害することにより、FTDの血中濃度を維持します。 ロンサーフはこれまでの抗悪性腫瘍剤とは異なる作用機序を有するとされており、 動物実験によってフッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤に低感受性を示す腫瘍にも抗腫瘍効果を示していることから、 従来の結腸・直腸癌の標準的な化学療法が不応又は不耐となった場合の新たな選択肢となると考えられました。 【用法・用量】 通常、成人には初回投与量(1回量)を体表面積に合わせて次の基準量とし(トリフルリジンとして約35mg/m2/回)、 朝食後及び夕食後の1日2回、5日間連続経口投与したのち2日間休薬します。 これを2回繰り返したのち14日間休薬します。これを1コースとして投与を繰り返します。なお、患者の状態により適宜減量します。 | ||
7. 使用上の注意と服薬支援 | ||
【薬剤師への注意】 (1) 緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで実施します。 (2) 各コース開始時、「投与開始基準」を満たさない場合は本剤を投与しません。 また、「休薬基準」に該当する有害事象が発現した場合は本剤を休薬し、「投与再開基準」まで回復を待って投与を再開します。 【患者さんへの説明例】 (1) 腫瘍細胞に取り込まれ、腫瘍が増殖するのを押さえます。 (2) 空腹時に服用すると血漿中の濃度が上昇して副作用を高めることがあるので、空腹時の服用は避けてください。 | ||
8. 製造販売元など | ||
製造販売元:大鵬薬品工業株式会社 お問合せ先:大鵬薬品工業株式会社 メディカルアフェアーズ本部 MA部 医薬品情報課 0120-20-4527 |