◆ 新薬情報 index

2014年3月製造販売承認

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■アテディオ配合錠■アビガン錠 200mg■アプルウェイ錠 20mg/デベルザ錠 2…■イクスタンジカプセル 40mg■エフィエント錠 2.5mg,3.75mg…■ザクラス配合錠 LD,HD■サムスカ錠 30mg■タペンタ錠 25mg,50mg,100m…■テノゼット錠 300mg■テビケイ錠 50mg■フォシーガ錠 5mg,10mg■ルセフィ錠 2.5mg,5mg■ロンサーフ配合錠 T15,T20■グラッシュビスタ外用液剤0.03% 5m…■スミスリンローション5%
■ サムスカ錠 30mg
1. 承認概要
新効能・新剤型・新用量 2014年3月 / 2014年5月 発売
2. 薬効分類名
V2-受容体拮抗剤
3. 一般的名称
トルバプタン錠
4. 適応症
腎容積が既に増大しており、かつ、腎容積の増大速度が速い常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)の進行抑制
5. 類薬との比較

類薬はありません
6. 特徴
【特徴】
サムスカ錠30mgは、すでに販売されている同錠15mg、同錠30mgに「腎容積が既に増大しており、かつ、腎容積の増大速度が速い 常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)の進行抑制」の効能・効果を追加する、新効能・新用量・新剤型となる希少疾病用医薬品です。
ADPKDは、30代前後で発症し、腎臓に水のたまる嚢胞ができて徐々に腎不全に陥る遺伝性疾患ですが、有効な治療法がありませんでした。 サムスカでは嚢胞への液分泌を低下させることで成長を抑え、症状の進行を抑制することが期待されています。 肝障害や高Na血症などの副作用の恐れもあることから、処方は企業主催の講習を受けた医師のみとし、 調剤の際も当該医師が処方したことを確認する流通管理を行い、適正使用を図る必要があります。
サムスカは2010年以降、心不全や肝硬変における体液貯留の適応ですでに15mgと30mgが発売されています。
【用法・用量】
[常染色体優性多発性のう胞腎の進行抑制の場合 ]
通常、成人にはトルバプタンとして1日60mgを2回朝 45mg、夕方 15mg)に分けて経口投与を開始します。 1日60mgの用量で1週間以上投与し、忍容性がある場合には、1日90mg(朝 60mg、夕方30mg)、1日120mg(朝 90mg、夕方 30mg)と 1週間以上の間隔を空けて段階的に増量します。なお、忍容性に応じて適宜増減しますが、最高用量は1日120mgまでとします。
7. 使用上の注意と服薬支援
【薬剤師への注意】
心性浮腫または肝性浮腫に適応しますが、通常第1選択薬とはなりません。 フロセミドなど標準的な利尿薬だけではよい効果が得られない場合、 または電解質異常などの副作用から十分増量できない場合などです。 電解質の排泄増加を伴わないので、ナトリウム、カリウムの血清濃度の上昇に注意が必要です。 口渇感が持続する場合には、減量を考慮します。
【患者さんへの説明例】
(1) この薬は腎臓での「バソプレシン」の働きを妨げ、嚢胞が増大する速度を抑える効果があります。
(2) 口渇を感じた場合は、脱水の可能性がありますので十分に水分を補給してください。 また、就寝前にはコップ1~2杯の水分を補給し、夜間は排尿に行くたびに水分を補給してください。 こまめに水分をとるように心がけてください。
(3) この薬を飲みはじめると尿の量も回数も増えますので注意してください。
(4) 服用中は、失神、めまいなどがあらわれることがありますので、転倒に注意してください。 また、車の運転や高い所での作業、危険をともなう機械の操作などはしないでください。
(5) グレープフルーツジュースを飲むと、この薬の作用が強く出ることがあるので、避けてください。
(6) セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)を含む健康食品を飲むと、この薬の作用が弱くなることがあるので、避けてください。
8. 製造販売元など
製造販売元:大塚製薬株式会社
お問合せ先:大塚製薬株式会社 医薬情報センター 0120-189-840
(文責 下平秀夫) 2014年6月/2015年1月更新