◆ 新薬情報 index

2014年3月製造販売承認

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■アテディオ配合錠■アビガン錠 200mg■アプルウェイ錠 20mg/デベルザ錠 2…■イクスタンジカプセル 40mg■エフィエント錠 2.5mg,3.75mg…■ザクラス配合錠 LD,HD■サムスカ錠 30mg■タペンタ錠 25mg,50mg,100m…■テノゼット錠 300mg■テビケイ錠 50mg■フォシーガ錠 5mg,10mg■ルセフィ錠 2.5mg,5mg■ロンサーフ配合錠 T15,T20■グラッシュビスタ外用液剤0.03% 5m…■スミスリンローション5%
■ フォシーガ錠 5mg,10mg
1. 承認概要
新有効成分 2014年3月 / 2014年5月 発売
2. 薬効分類名
選択的SGLT2阻害剤-2型糖尿病治療剤-
3. 一般的名称
ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物錠
4. 適応症
〇2型糖尿病
〇1型糖尿病 ※2019年3月適応追加
〇慢性心不全 ※2020年11月適応追加  ※2023年2月左室駆出率にかかわらず使用可能に 
(ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。)
心不全の薬物療法「ファンタスティック4」についてはこちらへ!!
〇 慢性腎臓病 ※2021年8月適応追加
(ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く。)
5. 類薬との比較

・2014年から1年以内に、7成分ブランドが出揃う予定という異例の競合状態です。
・用法用量については、デベルザ/アプルウェイが20mgの単一用量、スーグラ、フォシーガ、ルセフィは増量が可能な設定になっています。 フォシーガとルセフィは標準用量とその倍量の2段階で用量調節でき、増量しても1錠の服用で済みます。 スーグラは開始用量の50mgで効果不十分な場合に75mg、100mgと段階的な増量ができ、多様な用量設定が可能ですが、増量の場合は2錠服用することになります。 スーグラ、ルセフィ、デベルザ/アプルウェイは朝食前か朝食後と指定されているのに対して、フォシーガではその指定がありません。
6. 特徴
【特徴】
世界で最初に承認を取得したSGLT2阻害薬で、海外の臨床データが豊富です。 腎臓の近位尿細管で糖を再吸収するナトリウムグルコース共輸送担体2(SGLT2)を選択的に阻害し、過剰な血糖を体外に排出します。 他のSGLT2阻害薬が、朝食前服用なのに対して、朝夕どちらでも服用可能な製剤特性を持ちます。
【SGLT-2阻害薬とは】
腎臓で原尿からのグルコースの再吸収を担っているSGLT2(Sodium-Glucose Co-Transporter 2:ナトリウム依存性グルコース輸送担体)を選択的に阻害することで、 ブドウ糖の再取り込みを抑制し、尿糖排泄を促進させ血糖を下げる薬剤です。 インスリン分泌には直接作用しないので、単独投与なら低血糖のリスクは低く、体重減少も期待できるのが特徴です。 DPP-4阻害薬の登場から5年が経過しました。DPP-4阻害薬は主に空腹時血糖を下げますが、SGLT-2阻害薬 は全体的に下げます。 今後の2型糖尿病の薬物療法において新たな選択肢が増えたといえます。罹病期間が比較的短い肥満患者に適しているといわれています。
【用法・用量】
通常、成人には5mgを1日1回経口投与します。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら10mg1日1回に増量することができます。
7. 使用上の注意と服薬支援
【日本糖尿病学会からの注意喚起】
日本糖尿病学会の「SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会」は2014年6月「SGLT2阻害薬の適正使用」に関してホームページ上で公表しました。 ここでは尿路・性器感染症に加え、重症低血糖、ケトアシドーシス、脳梗塞、全身性皮疹など重篤な副作用発生への注意喚起を行っています。
Recommendationとして、以下が挙げられています。
(1) SU薬はインスリン分泌促進薬やインスリンとの併用時に低血糖に十分留意し、減量を考慮する。患者にも低血糖の教育を十分行う。
(2) 高齢者への投与は適応を考慮した上で開始。発売から3か月以内に65歳以上に投与する場合は、全例特定使用成績調査に登録する。
(3) 脱水防止について患者への説明も含め、十分な対策を講じる。利尿薬との併用は推奨しない。
(4) 発熱・下痢・嘔吐などがある時ないし、食思不振で食事が十分とれない場合(シックデイ)は休薬する。
(5) 皮疹・紅斑などが認められた場合は速やかに投与を中止し、副作用報告を行う。
(6) 尿路感染・性器感染については、適宜問診・検査を行い発見に努める。問診では質問紙の活用も推奨する。
(7) 原則として、他に2剤程度までの併用が当面推奨される。
【薬剤師への注意】
(1) 重度腎機能障害患者、または透析中の末期腎不全患者には使用できません。
(2) インスリンが分泌できない患者にはケトン体が上昇してしまうので使用できません。
(3) 尿から糖が出るので、膀胱炎、性器感染に注意が必要です。
(4) 高齢者や痩せている患者には、体液が減少するので注意が必要です。
【患者さんへの説明例】
(1) 尿から余分な糖を排泄するお薬です。
(2) 尿がたくさん出て体液が減少することがあるので、適度な水分補給を行ってください。
(3) 低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等には注意してください。
8. 製造販売元など
製造販売元:アストラゼネカ株式会社
お問合せ先:アストラゼネカ株式会社 メディカルインフォメーションセンター 0120-189-115
(文責 下平秀夫) 2014年6月/2023年3月更新