|
1. 承認概要 | ||
新投与経路 2014年3月 / 2014年9月 発売(薬価未収載) | ||
2. 薬効分類名 | ||
プロスタマイド誘導体 | ||
3. 一般的名称 | ||
ビマトプロスト外用液 | ||
4. 適応症 | ||
睫毛貧毛症 | ||
5. 類薬との比較 | ||
6. 特徴 | ||
【特徴】 睫毛(しょうもう)貧毛症治療薬として、不十分なまつ毛の「長さ」「太さ」「濃さ」を主要成分であるビマトプロスト(Prostaglandin F2a誘導体)の作用により改善する 日本で初めてかつ唯一の医療用医薬品として承認を得ました。 【経緯】 2009年から緑内障や高眼圧症の点眼薬として販売されている「ルミガン」と同じ成分です。 他のプロスタグランジン関連薬はプロスタノイド受容体に結合しますが、本剤はプロスタマイド受容体に結合することで眼圧降下作用を示します。 有害事象として睫毛の成長が多く認められたことから、この適応症での開発が行われました。 【承認概要】 2008年に米国で睫毛貧毛症の効能・効果で承認されたのをはじめ、2013年10月現在、23の国又は地域で承認されています。 また、ビマトプロストはすでにアメリカでまつ毛育毛剤として販売されています。 PG系緑内障治療薬の成分のうち、この適応で承認されているのは世界でこの成分のみです。 【作用機序】 毛包内のプロスタマイド受容体への作用を介し毛周期における成長期を延長することで、睫毛に対する成長促進作用を示す可能性が考えられています。 【用法・用量】 片眼ごとに、1滴を本剤専用のアプリケータに滴下し、1日1回就寝前に上眼瞼辺縁部の睫毛基部に塗布します。 <効能・効果に関連する使用上の注意> 発毛可能な毛包が存在しない部位における本剤の有効性は期待できません。 【効果】 ・国内で行われた臨床成績の結果では、投与開始2か月から改善を自覚する被験者が有意に増加し、 4か月後には8割弱で睫毛の長さ・濃さが改善しました。 ・他人が見てはっきりと睫毛が伸びているとわかるまでには、一般に4か月から6ヶ月。 使用を中止すると睫毛が長い状態が2か月ほど続き、以後は元の状態に戻ります。 ・癌化学療法による脱毛の場合、治療前の状態に戻るまでに1~1年半かかります。 本剤を使用すると、この期間を半年以上短縮できます。 【副作用】 主な副作用は、結膜充血、瞼がかゆい、紅くなるなどです。 特に気をつけるのが、瞼の縁の色素沈着、虹彩色素過剰(黒目が濃くなる)です。 ただし、点眼剤と比べて本成分の被ばく量は1/14とされています。 | ||
7. 使用上の注意と服薬支援 | ||
【薬剤師への注意】 (1) 海外で先行販売されている同成分の製剤「LATISSE 0.03%」を個人輸入したり、医師が眼科用のルミガンを転用して処方したりといった、必ずしも適正でない使い方の横行にもつながっています。出回っているものの中には組成が明らかでない類似品もあるので注意と監視が必要です。 (2) 緑内障患者等への点眼剤の投与経験の中で回復が認められない虹彩色素過剰を発現した症例も報告されていることから、 本剤を睫毛貧毛症に対して使用する際にも虹彩色素過剰の発現については十分な注意喚起が必要です。 (3) がん化学療法による睫毛貧毛症の患者では、本剤の投与はがん化学療法終了4 週間後以降に開始することが望ましいです。 【患者さんへの説明例】 (1) 片眼ごとに、1 滴を本剤専用のアプリケータに滴下して、1 日1 回就寝前に上眼まぶたの睫毛の根本に塗布します。 (2) 妊婦又は妊娠している可能性のある方は、原則として使用できません。 【トピック】 過去、副作用を逆手にとった薬剤としては・・・ ・狭心症治療薬として開発していた薬の副作用を利用して「発毛薬」が誕生 ⇒『ミノキシジル(リアップ)』 ・狭心症治療薬として開発していた薬の副作用を利用して「ED治療薬」が誕生 ⇒『シルデナフィル(バイアグラ)』 ・抗ヒスタミン剤の"眠気"を利用して「不眠改善薬」が誕生 ⇒『ジフェンヒドラミン(ドリエル)』 ※「副作用」であったものが使い方次第で「主作用」になる訳で、その逆もあります。それだけに「薬」は適正な使用をする必要があるということでしょう。 | ||
8. 製造販売元など | ||
製造販売元:アラガン・ジャパン株式会社 お問合せ先:アラガン・ジャパン株式会社 お客様相談窓口 0120-404-100 |