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1. 承認概要 | ||
新有効成分 2014年7月 / 2014年9月 発売 | ||
2. 薬効分類名 | ||
前立腺癌治療剤(CYP剤阻害剤) | ||
3. 一般的名称 | ||
アビラテロン酢酸エステル錠 | ||
4. 適応症 | ||
去勢抵抗性前立腺がん | ||
5. 類薬との比較 | ||
前立腺癌に適応を持つ抗アンドロゲン剤として、プロスタール(クロルマジノン酢酸エステル)、オダイン(フルタミド)、 カソデックス(ビカルタミド)のほか、本剤と同じ適応の薬剤としてイクスタンジ(エンザルタミド)があります。 | ||
6. 特徴 | ||
【承認状況】 欧米で2011年に承認され、2014年1月時点で87の国または地域で承認済みです。 【作用機序】 本剤は体内でアビラテロンへ加水分解され、CYP17活性を不可逆的かつ選択的に阻害します。 CYP17は、プレグネノロン及びプロゲステロンから、テストステロンの前駆体であるデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)及びアンドロステンジオンを それぞれ産生する酵素です。 アビラテロンはCYP17活性を阻害し、アンドロゲンであるテストステロン及びアンドロステンジオンの合成を阻害することで、腫瘍の増殖を抑えます。 【前立腺癌とは】 前立腺がんは、男性がん死亡全体の5%を占めるがんで、近年患者数が急増し、2020年には男性がんの中で罹患数が第1位になると予想されています。 本症は、男性ホルモンであるアンドロゲンにより増殖します。そのため、前立腺がんの初期治療では、精巣を摘除してしまう外科手術(外科的去勢術)や、 アンドロゲンが働かないようにするホルモン療法(内科的去勢術)が行われます。 【去勢抵抗性前立腺癌とは】 しかし、ホルモン療法は長期間継続すると、徐々にホルモン療法に抵抗性を示すがん細胞が増え、治療効果が減弱します。 このようにホルモン療法抵抗性となった状態のことを、外科的去勢術後に増悪した患者とあわせて「去勢抵抗性前立腺癌」と呼びます。 【去勢抵抗性前立腺癌の治療と類薬】 去勢抵抗性前立腺癌の治療法として、現在ドセタキセルによる化学療法が標準化されていますが、ドセタキセルが有効でなくなった後の治療法は限られていました。 同じ適応の薬剤としては、2014年3月に承認されたイクスタンジ(エンザルタミド(アステラス))があります。 【用法・用量】 プレドニゾロンとの併用において、通常、成人にはアビラテロン酢酸エステルとして1日1回1,000mgを空腹時に経口投与します。 | ||
7. 使用上の注意と服薬支援 | ||
【薬剤師への注意】 (1) CYP17阻害作用に伴うカリウム血症、末梢性浮腫、高血圧などの有害事象を防ぐため、本剤投与時にはプレドニゾロン(低用量の糖質コルチコイド)の併用が必要です。 (2) 本剤は食事の影響によりCmaxおよびAUCが上昇するため、食事の1時間前から食後2時間までの服用は避けます。 (3) 投与中に肝機能検査値の上昇が認められた場合は、休薬、減量または中止します。 (4) アビラテロンはCYP3A4の基質です。よってCYP3A4誘導剤(リファンピシン、フェニトイン、カルバマゼピン、リファブチン、フェノバルビタール等)の併用により 本剤の血漿中濃度が低下し、本剤の有効性が減弱する可能性があります。 【患者さんへの説明例】 (1) 本剤は、男性ホルモンのはたらきを抑えるお薬です。 (2) 本剤は1日1回、通常4錠を服用します。なお、プレドニゾロンというお薬を併用しますが、服用のタイミングは必ずしも一緒ではなくて構いません。 (3) 本剤は、お腹の中にある食べ物の影響を非常に受けやすい薬です。そのため、必ず空腹時に服用する必要があります。 食事の1時間前から食後2時間までの間の服用は避けてください。 | ||
8. 製造販売元など | ||
製造販売元:ヤンセンファーマ株式会社 お問合せ先:ヤンセンファーマ(株) メディカルインフォメーションセンター 0120-23-6299 |