◆ 新薬情報 index

2014年7月製造販売承認

(印刷用画面へ)
■アレセンサカプセル 20mg,40mg■カナグル錠 100mg■ザイティガ錠 250mg■ジャカビ錠 5mg■スンベプラカプセル 100mg■ダクルインザ錠 60mg■デルティバ錠 50mg■ニシスタゴンカプセル 50mg,150m…■ラパリムス錠 1mg■スタレボ配合錠 L50,L100■アノーロエリプタ 7吸入用,30吸入用■クレナフィン爪外用液 10%■ドボベット軟膏
■ アレセンサカプセル 20mg,40mg
1. 承認概要
新有効成分 2014年7月 / 2014年9月 発売
2. 薬効分類名
抗悪性腫瘍剤/ALK阻害剤
3. 一般的名称
アレクチニブ塩酸塩
4. 適応症
ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん
5. 類薬との比較

6. 特徴
【特徴】
本剤は、ALK※1のチロシンキナーゼ活性を阻害する国内2成分目のALK阻害薬です(1番目のALK阻害薬はクリゾチニブ)。希少疾病用医薬品です。
現在、ALK融合遺伝子※2陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対する治療薬は限られており、新たな選択枝となる治療薬の開発が望まれていました。
わが国における肺癌の患者数は約97,000人と推定され、そのうちの80%が非小細胞肺癌であるといわれています。 非小細胞肺癌のうち約2~5%の患者では、ALK遺伝子と呼ばれる遺伝子の突然変異により、ALK 融合遺伝子が産生されています。 アレセンサはALKのキナーゼ活性を阻害することで、アポトーシスを誘導して抗腫瘍効果を発揮します。

※1 ALK(Anaplastic lymphoma kinase):未分化リンパ腫キナーゼ
※2 ALK融合遺伝子とは、ALK遺伝子と他の遺伝子が融合した遺伝子のことで、 この遺伝子からできるALK融合タンパクはがん細胞を限りなく増殖させます。
【警告】の項に、「治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。」 「本剤の投与により間質性肺疾患があらわれることがあるので、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び胸部CT検査等の実施など、観察を十分に行うこと。 異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 また、治療初期は入院又はそれに準ずる管理の下で、 間質性肺疾患等の重篤な副作用発現に関する観察を十分に行うこと。」と記載されています。
【用法・用量】
通常、成人にはアレクチニブとして1回300mg(1回に40mgカプセルを7個、20mgカプセルを1個)を1日2回経口投与します。
7. 使用上の注意と服薬支援
【薬剤師への注意】
(1) 緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ投与します。
(2) ALK融合遺伝子陽性が確認された患者に投与します。
(3) 間質性肺疾患の発現に注意します。
(4) 本剤は、含量の異なる2製剤(20mg/40mgカプセル)を組み合わせて服用します。 カプセルの取り違いによる過量投与又は投与量不足を防止するため、服用毎にカプセル数を確認するように患者さんへ指導してください。 なお、本剤は20mg/40mgの含量毎に1週間分(40mg:98カプセル,20mg:14カプセル)のボトル包装です。 20mgと40mgのボトルを1本づつ組み合せることにより、1週間分(300mg1日2回×7日分)の処方量となります。
【患者さんへの説明例】
(1) 本剤は、1回に40mgカプセルを7個、20mgカプセルを1個を服用します。 カプセルの取り違いによる過量投与や投与量不足を避けるため、服用毎にカプセル数を確認するようにしてください。
(2) 食事の影響を避けるため、空腹時に服用することが望ましいです。
(3) いつもと違う息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等が現れたら速やかに医療機関を受診してください。
(4)  妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には使用できません。
8. 製造販売元など
製造販売元:中外製薬株式会社
お問合せ先:中外製薬株式会社 医薬情報センター 0120-189706
(文責 下平秀夫) 2014年9月