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1. 承認概要 | ||
新有効成分 2014年7月 / 2014年9月 | ||
2. 薬効分類名 | ||
選択的SGLT2阻害剤 -2型糖尿病治療剤- | ||
3. 一般的名称 | ||
カナグリフロジン水和物 | ||
4. 適応症 | ||
2型糖尿病 | ||
5. 類薬との比較 | ||
・2014年から1年以内に、7成分8品目が出揃う予定という異例の競合状態です。 ・用法用量については、本剤のほかに、同一成分のデベルザ/アプルウェイが20mgの単一用量です。その他の製剤は用量調節が可能となっています。 本剤と、スーグラ、ルセフィ、デベルザ/アプルウェイは朝食前か朝食後と指定されているのに対して、フォシーガではその指定がありません。 ・糖尿病治療薬では全ての製剤でGLP-1アナログ製剤以外と併用可能です。 | ||
6. 特徴 | ||
【特徴】 わが国で開発された6品目目のSGLT-2阻害剤となります。2014 年1月時点で欧米を含む36 カ国で承認済みです。 日本より先行して発売された欧米では、体重が減ることで治療へのモチベーションが上がり、食事や運動療法を行ううえでの励みになるという声が多いです。 一方、わが国では欧米ほどの肥満患者は多くないため、今後の動向が注目されます。 【SGLT-2阻害薬とは】 腎臓で原尿からのグルコースの再吸収を担っているSGLT2(Sodium-Glucose Co-Transporter 2:ナトリウム依存性グルコース輸送担体)を選択的に阻害することで、 ブドウ糖の再取り込みを抑制し、尿糖排泄を促進させ血糖を下げる薬剤です。 インスリン分泌には直接作用しないので、単独投与なら低血糖のリスクは低く、体重減少も期待できるのが特徴です。 DPP-4阻害薬の登場から5年が経過しました。DPP-4阻害薬は主に空腹時血糖を下げますが、SGLT-2阻害薬は全体的に下げます。 今後の2型糖尿病の薬物療法において新たな選択肢が増えたといえます。罹病期間が比較的短い肥満患者に適しているといわれています。 【用法・用量】 通常、成人にはカナグリフロジンとして100mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与します。 | ||
7. 使用上の注意と服薬支援 | ||
【日本糖尿病学会からの注意喚起】 日本糖尿病学会の「SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会」は2014年6月「SGLT2阻害薬の適正使用」に関してホームページ上で公表しました。 ここでは尿路・性器感染症に加え、重症低血糖、ケトアシドーシス、脳梗塞、全身性皮疹など重篤な副作用発生への注意喚起を行っています。 さらに同年8月の改定では、予想していたよりも皮膚症状の報告が多かったこと、インスリンとの併用による重症な低血糖が報告されたことが指摘されています。 Recommendationとして、以下が挙げられています。 (1) インスリンやSU 薬等インスリン分泌促進薬との併用時には低血糖に十分留意し、減量を考慮する。患者にも低血糖の教育を十分行う。 (2) 高齢者への投与は適応を考慮した上で開始。発売から3か月以内に65歳以上に投与する場合は、全例特定使用成績調査に登録する。 (3) 脱水防止について患者への説明も含め、十分な対策を講じる。利尿薬との併用は推奨しない。 (4) 発熱・下痢・嘔吐などがある時ないし、食思不振で食事が十分とれない場合(シックデイ)は休薬する。 (5) 皮疹・紅斑などが認められた場合は速やかに投与を中止し、副作用報告を行う。 (6) 尿路感染・性器感染については、適宜問診・検査を行い発見に努める。問診では質問紙の活用も推奨する。 (7) 原則として、他に2剤程度までの併用が当面推奨される。 【薬剤師への注意】 (1) 重度腎機能障害患者、または透析中の末期腎不全患者には使用できません。 (2) インスリンが分泌できない患者にはケトン体が上昇してしまうので使用できません。 (3) 尿から糖が出るので、膀胱炎、性器感染に注意が必要です。 (4) 高齢者や痩せている患者には、体液が減少するので注意が必要です。 【患者さんへの説明例】 (1) 余分な糖を尿といっしょに排泄することで、血糖を下げるお薬です。 (2) 尿がたくさん出て体液が減少することがあるので、適度な水分補給を行ってください。 (3) 低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等には注意してください。 (4) 排尿時の痛み・灼熱感、陰部のかゆみなどがあったら、尿路や性器の感染症かもしれないので受診してください。 (5) 皮膚に発疹かできることなどがあったら、直ぐに受診してください。 | ||
8. 製造販売元など | ||
製造販売元:田辺三菱製薬株式会社 お問合せ先:田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター 0120-753-280 |