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1. 承認概要 | ||
新医療用配合剤 2014年7月 / 2014年12月 発売 | ||
2. 薬効分類名 | ||
抗パーキンソン剤 | ||
3. 一般的名称 | ||
レボドパ/カルビドパ水和物/エンタカポン 配合錠 | ||
4. 適応症 | ||
パーキンソン病 〔レボドパ・カルビドパ投与において症状の日内変動(wearing-off現象)が認められる場合〕 | ||
5. 類薬との比較 | ||
6. 特徴 | ||
【特徴】 パーキンソン病治療薬で初の3成分の配合剤となる配合錠です。 ネオドパストン、メネシット(レボドパ・カルビドパ)にコムタン(エンタカポン)を併用したのと同じ成分です。 レボドパ・カルビドパ投与において症状の日内変動(wearing-off現象)が認められるパーキンソン病に用いることで、 患者さんの服薬錠数を減らして服用時の負担を軽減します。 【背景】 レボドパは脳にドパミンを補充するパーキンソン治療の重要な薬です。 〔カルビドパの役割〕 ドパミンをそのまま投与しても血液脳関門を通過することができません。 そのため、ドパミンのプロドラッグとしてレボドパが使用され、血液脳関門を通って脳内に入ると、脱炭酸酵素によってドパミンとなります。 しかし、レボドパに対する脱炭酸酵素は脳内だけでなく末梢にも存在するので、レボドパの脳内移行率を上げるために脱炭酸酵素阻害薬のカルビドパが用いられます。 カルビドパは血液脳関門を通過しません。 〔エンタカポンの役割〕 パーキンソン病が進行すると、レボドパの効果が短くなり、次の薬を飲む前にパーキンソン症状があらわれてしまいます。 このような現象をウェアリング・オフ(wearing-off)現象といいます。 エンタカポンは、レボドパを代謝する末梢のCOMT(カテコール-O-メチル基転移酵素)を選択的に阻害します。 その結果、レボドパの血中半減期が延長してレボドパの脳内移行が高まり、作用持続時間が長くなります。 【用法・用量】 成人には、レボドパ・カルビドパ・エンタカポンとして1回 50mg/5mg/100mg~200mg/20mg/200mg の間で1回1又は2錠を経口投与します。 なお、症状により用量及び投与回数を調節するが、1日総レボドパ量として1,500mg、総カルビドパ量として150mg、総エンタカポン量として1,600mgを超えないこと。 また、投与回数は1日8回を超えないこと。 【副作用】 341例中269例(78.9%)に臨床検査値の異常を含む副作用が報告されています。 主な副作用は、ジスキネジー128例(37.5%)、便秘69例(20.2%)、着色尿49例(14.4%)、幻覚31例(9.1%)、悪心29例(8.5%)、 傾眠28例(8.2%)、貧血21例(6.2%)、ジストニー21例(6.2%)、不眠症20例(5.9%)等です。(エンタカポン単剤の承認時までの集計) | ||
7. 使用上の注意と服薬支援 | ||
【薬剤師への注意】 (1) 原則として、本剤はレボドパ・カルビドパとエンタカポンの併用投与を行っている患者に対し、既存治療に替えて使用します。 (2) 本剤に他のレボドパ製剤を追加する場合でも、1日総レボドパ量は1,500mgを超えないようにしてください。 (3) エンタカポン用量を1回200mgに増量した場合、ジスキネジー等が発現することがあるので、1回200mgへの増量は慎重に検討します。 (4) レボドパは特定のアミノ酸と競合するため、高蛋白食によりレボドパの吸収が低下するとの報告があります。 (5) COMTにより代謝される薬剤(アドレナリン、ノルアドレナリン、イソプレナリン、ドパミン等)との併用に注意してください。 (6) エフピー(セレギリン)を併用する場合は、セレギリンの1日量は10mgを超えてはいけません。 【患者さんへの説明例】 (1) 脳内のドパミンを増やして、神経を活性化させます。 (2) 脳内でドパミンに変換される成分と、変換率を助ける成分、および効果を長続きさせる成分の3つの成分が含まれています。 (3) できるだけ毎日同じ時間に飲んでください。 (4) 突発的睡眠、傾眠、起立性低血圧等があらわれることがあるので、自動車の運転、高所での作業等、危険を伴う作業には従事しないでください。 | ||
8. 製造販売元など | ||
製造販売元:ノバルティス ファーマ株式会社 お問合せ先:ノバルティス ファーマ株式会社 ノバルティスダイレクト 0120-003-293 |