◆ 新薬情報 index

2014年7月製造販売承認

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■アレセンサカプセル 20mg,40mg■カナグル錠 100mg■ザイティガ錠 250mg■ジャカビ錠 5mg■スンベプラカプセル 100mg■ダクルインザ錠 60mg■デルティバ錠 50mg■ニシスタゴンカプセル 50mg,150m…■ラパリムス錠 1mg■スタレボ配合錠 L50,L100■アノーロエリプタ 7吸入用,30吸入用■クレナフィン爪外用液 10%■ドボベット軟膏
■ ニシスタゴンカプセル 50mg,150mg
1. 承認概要
新有効成分 2014年7月 / 2014年9月 発売
2. 薬効分類名
腎性シスチン症治療剤
3. 一般的名称
システアミン酒石酸塩カプセル
4. 適応症
腎性シスチン症
5. 類薬との比較

類薬はありません
6. 特徴
【特徴・背景】
希少疾病用医薬品。 腎性シスチン症は、年間発症者数5~10人程度の先天性遺伝子疾患の一つで、シスチンを細胞外へ排出できないため、 体内にシスチンが蓄積され、骨髄、角膜、腎臓、肝臓等の臓器に障害を引き起こす全身性の進行性疾患です。 生後6カ月ごろから腎障害や発育障害、 代謝性アシドーシス等がみられ、多くは10歳までに末期腎不全に至ります。 主な治療法として食事療法のほか、腎機能が著しく低下した場合は腹膜透析や腎移植が行われています。 国内では腎性シスチン症に対し承認された治療薬がないため、細胞内に蓄積したシスチンを減少させる効果を持つシステアミン塩酸塩の試薬が 保護者承諾の下で使用されていました。しかし、システアミン塩酸塩は特有の臭気を持ち、服用しにくいことが問題となっていました。
【承認状況】
2013年10月現在、29カ国で承認されています。
【作用機序】
ライソゾーム内のシスチンと反応することで、システイン-システアミン混合二硫化物を形成して細胞外に排出可能な状態とし、 細胞内のシスチン濃度を低下させます。 この結果、腎性シスチン症で問題となる腎機能低下を遅延させ、透析や腎移植の回避または開始時期の遅延などが期待できるとされています。
【用法・用量】
通常、12歳未満の患者または体重50kg未満の患者には、システアミンとして1日1.3g/m2(体表面積)、 体重50kgを超える12歳以上の患者には、システアミンとして1日2gを4回に分割し経口投与します。 投与は少量より開始し、4~6週間以上かけて上記用量まで漸増します。 なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、1日1.95g/m2(体表面積)を上限とします。
(本剤は角膜へのシスチンの蓄積による症状の改善は期待できません。)
7. 使用上の注意と服薬支援
【薬剤師への注意】
(1) 本剤はカプセル剤で、チャイルドロックを施したプラスチックボトルに包装されています。吸湿性があるため、ボトルの開封後は湿気を避けて保存することとされています。
(2) 開始用量は推奨維持投与量の1/4~1/6量を目安とし、患者の状態、腎機能検査値(血中クレアチニン、クレアチニンクリアランス等)、 白血球中シスチン濃度等を参考に用量を漸増して、維持用量を設定します。
(3) 誤嚥による窒息の危険性があるため、誤嚥を起こすおそれのある患者(嚥下困難がある患者、高齢者、小児等)に投与する際には十分注意してください。
(4) 尿中ケトン体検査では、偽陽性を呈する可能性があります。
【患者さんへの説明例】
(1) 容器のふたがチャイルドロックとなっているので、ふたを強く押しながらねじって開けてください。
(2) 眠気があらわれることがあるので、車の運転、危険を伴う機械の操作に注意してください。
(3) 酸性の飲料水(オレンジジュース等)での服用は避けてください。カプセルの内容物との混合性が悪く、固まってしまうことがあります。
8. 製造販売元など
製造販売元:マイラン製薬株式会社
お問合せ先:マイラン製薬株式会社 カスタマーサポートセンター 0120-066-720
(文責 下平秀夫) 2014年9月/2015年1月更新