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1. 承認概要 | ||
新有効成分 2014年7月 / 2014年9月 発売 | ||
2. 薬効分類名 | ||
抗悪性腫瘍剤(ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤) | ||
3. 一般的名称 | ||
ルキソリチニブリン酸塩錠 | ||
4. 適応症 | ||
骨髄線維症 | ||
5. 類薬との比較 | ||
6. 特徴 | ||
【特徴】 国内で初めて骨髄の線維化を抑える経口の薬剤です。 希少疾病用医薬品。国内における骨髄線維症の推定患者数は約1500人です。 【承認状況】 2014年2月現在、59の国または地域で承認されています。 【骨髄線維症と治療法】 骨髄線維症は、骨髄の線維化や消耗性の全身症状を伴い、正常な血液の産生が妨げられる進行性の血液がんです。 病因は遺伝子変異などによるJAK‐STAT経路の恒常的な活性化が関わっていると考えられています。 一般的に予後は不良で、5年生存率は38%、生存期間の中央値は3.4年と推定されています。 主な臨床症状は、腹部不快感、腹痛、貧血、血栓症などであり、これまで対症療法が行われていますが効果は限定的です。 唯一、治癒の可能性がある造血幹細胞移植についても、対象となる患者はごく一部であり、実施率は低いといわれていることから、 新たな治療選択肢が求められていました。 【作用機序】 本剤はチロシンキナーゼ阻害剤であり、JAK1やJAK2を標的として脾腫の縮小や諸症状を改善します。 【用法・用量】 通常、成人には本剤を1日2回、12時間毎を目安に経口投与します。 用量は、ルキソリチニブとして1回5mg~25mgの範囲とし、患者の状態により適宜増減します。 【副作用】 骨髄線維症患者を対象とした海外第III相試験において、本剤投与301例中、副作用は239例(79.4%)にみられました。 主な副作用は、血小板減少症(血小板数減少を含む)136例(45.2%)、貧血87例(28.9%)、下痢30例(10.0%)等でした。 | ||
7. 使用上の注意と服薬支援 | ||
【薬剤師への注意】 (1) 緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、 本剤の投与が適切と判断される症例に対してのみ投与します。 (2) 本剤を服用中は感染症があらわれやすい状態になっており、日和見感染症や感染症の重症化に注意が必要です。 (3) 帯状疱疹があらわれることがあるので、本剤の投与開始前に患者に対して帯状疱疹の初期症状について説明し、 異常が認められた場合には速やかに連絡し、適切な処置を受けるように指導します。 (4) 血小板数に基づき開始用量を決定します。 (5) 血球数減少や感染症等の重篤な副作用を起こす恐れがあるため、血球数モニタリングの徹底が推奨されています。 投与中に好中球数が500/mm3未満に減少した場合には休薬します。 (6) 本剤は主として代謝酵素CYP3A4で代謝されるので、CYP3A4阻害剤、CYP3A4誘導剤との併用に注意します。 【患者さんへの説明例】 (1) 妊娠している方、授乳している方は使用できません。 (2) 結核やウイルス性肝炎に過去にかかったことがある方、現在かかっている方は必ず主治医に伝えてください。 (3) これまでになかった発熱、体がだるいなどの体調変化がみられたら、すぐ連絡してください。 | ||
8. 製造販売元など | ||
製造販売元:ノバルティス ファーマ株式会社 お問合せ先:ノバルティス ファーマ株式会社 ノバルティス ダイレクト 0120-003-293 |