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1. 承認概要 | ||
新有効成分・新医療用配合剤 2014年7月 / 2014年9月 発売 | ||
2. 薬効分類名 | ||
COPD治療配合剤 | ||
3. 一般的名称 | ||
ウメクリジニウム臭化物/ビランテロールトリフェニル酢酸塩 | ||
4. 適応症 | ||
慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく 諸症状の緩解(長時間作用性吸入抗コリン剤および長時間作用性吸入β2 刺激剤の併用が必要な場合) | ||
5. 類薬との比較 | ||
「気管支喘息、COPSに適応を持つ吸入配合剤の例」上の図の、PDFです。2023-05-01更新 | ||
6. 特徴 | ||
【特徴】 本剤はドライパウダー型の吸入剤です。LAMA/LABA配合剤では2013年11月に発売されたウルティブロ吸入用カプセル(ノバルティス)に続き、2剤目となります。 LAMAであるウメクリジニウム臭化物と、LABAであるビランテロールトリフェニル酢酸塩を配合しています。ビランテロールは既存製剤のレルベア(ステロイドとの配合剤)に含まれています。 1剤で、気道狭窄に対してLAMAによる間接的な気管支平滑筋の弛緩作用と、LABAによる直接的な気管支平滑筋の弛緩作用の双方で気管支を拡張します。 1回の吸入でLAMAとLABAを同時に吸入するので、患者さんの利便性とアドヒアランスの向上が期待されます。 【背景】 慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、タバコ煙を主とする有害物質を長期に暴露することで生じる肺の炎症性疾患で、症状として労作時の息切れと、慢性の咳、痰が特徴的です。 安定期のCOPDの薬物治療の中心は気管支拡張薬で、短時間作用性β2刺激薬(SABA)、長時間作用型β2刺激薬(LABA)、 長時間作用型抗コリン薬(LAMA)が患者さんの重症度に応じて段階的に用いられ、中等度以上では、LABAまたはLAMAの定期的な使用が推奨され、 単剤で治療効果が不十分な場合、または症状がより重症な場合には、2剤以上の気管支拡張薬の併用が可能とされています。 COPD患者さんにおけるアドヒアランスの低下の要因の一つとして吸入器の使用が難しいことが指摘されており、 吸入用の気管支拡張薬を併用する場合、複数の吸入器を用いて各薬剤を投与する必要があります。 【承認状況】 米国で2013年12月に承認され、欧州では2014年5月に承認されています。 【用法】 通常、成人にはアノーロエリプタ 1 吸入(ウメクリジニウムとして 62.5 μg 及びビランテロールとして25μg)を 1日1回吸入投与します。 【吸入デバイス】 本剤は「エリプタ」と称される単一操作で作動する新規定量式粉末吸入器が採用されています。 この吸入器には2つの両面アルミニウム製のストリップが装てんされており、7回分(ブリスター14個)の投与となっています。 一方のストリップのブリスターには微粉化したウメクリジニウム、ステアリン酸マグネシウムと乳糖水和物の混合粉末が含まれ、 他方のストリップのブリスターには微粉化したビランテロール、ステアリン酸マグネシウムおよび乳糖水和物の混合粉末が充てんされています。 1回の吸入により、2つのストリップからそれぞれブリスター1個分の内容物が同時に放出される機構になっている製剤です。 | ||
7. 使用上の注意と服薬支援 | ||
【薬剤師への注意】 (1) 患者に対し、本剤の過度の使用により不整脈、心停止等の重篤な副作用が発現する危険性があることを理解してもらい、 本剤を1日1回なるべく同じ時間帯に吸入するよう(1日1回を超えて投与しないよう)注意してください。 【患者さんへの説明例】 (1) 閉塞隅角緑内障の方には、眼圧が上昇し症状を悪化させるおそれがあるので使用できません。 (2) 前立腺肥大等による排尿障害がある方には、尿閉を誘発するおそれがあるので使用できません。 (3) 通常、成人には1回1カプセルを1日1回なるべく同じ時間帯に、専用吸入用器(エリプタ)を用いて吸入します。内服しないでください。 (4) 本剤は慢性閉塞性肺疾患の長期管理に用いるもので、急に症状が悪化した際の症状緩和を目的として使用する薬剤ではありません。 (5) 吸入器のカバーを開けると薬が1回分セットされるので、吸入するときまでカバーを開けないでください。 (6) 過度の使用により不整脈、心停止等の危険な副作用が出る危険があるので、一定の時間帯に吸入し、1日1回を超えて投与しないでください。 (7) COPDの原因となる喫煙をやめることが最も重要な治療といえます。 | ||
8. 製造販売元など | ||
製造販売元:グラクソ・スミスクライン株式会社 お問合せ先:グラクソ・スミスクライン(株) カスタマー・ケア・センター 0120-561-007 |