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1. 承認概要 | ||
新有効成分 2014年7月 / 2014年12月 発売 | ||
2. 薬効分類名 | ||
リンパ脈管筋腫症治療薬 | ||
3. 一般的名称 | ||
シロリムス | ||
4. 適応症 | ||
リンパ脈管筋腫症 | ||
5. 類薬との比較 | ||
類薬はありません | ||
6. 特徴 | ||
【特徴】 希少疾病用医薬品。本剤は免疫抑制剤であり、すでに腎移植の拒絶反応の予防を目的として89ヶ国で承認されています。 本剤はリンパ球の重要な制御キナーゼを阻害します。 特徴のひとつとして、シクロスポリン、タクロリムスのようなカルシニューリン阻害剤に比べ、腎臓に対する毒性が低いことが挙げられます。 【背景】 Lymphangioleiomyomatosis(以下、「LAM」)に対する治療法は確立されておらず、LAMに女性ホルモンの関与が推測されることから、 ホルモン療法(抗エストロゲン療法)や外科的卵巣摘出術が行われていますが、その効果は定まっていません。 適応を有する治療薬がなく、本剤の承認が期待されていました。 【リンパ脈管筋腫症とは】 LAMは、異常な平滑筋様細胞(LAM細胞)が肺、リンパ節、腎臓などで増えてくる病気で、妊娠可能な年齢の女性に発症することが多いです。 気胸を反復したり、進行すると呼吸不全になり酸素が必要になる場合もあります。 症状は、息切れ、せき、血痰、喘鳴などを認めます。また、気胸、胸・腹水を合併することもあり、それに伴う胸痛、呼吸困難、腹部膨満を認めることもあります。 結節性硬化症では、LAMによる症状のほか、てんかん、皮膚の異常などの症状もあります。 (参考:日本呼吸学会ホームページ) 【承認情報】 国内での投与経験が極めて限られており、間質性肺疾患、重篤な感染症等の有害事象が発現する可能性があることから、一定数の症例に係るデータが蓄積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することとなっています。 本剤は免疫抑制剤であり、海外ではラパミューン(Rapamune©)としてファイザーから販売されています。「腎移植における拒絶反応の予防」に関係した効能・効果で、89ヵ国で承認されています(2011年9月時点)。 【作用機序】 本剤は、肺での平滑筋様細胞(LAM細胞)の異常増殖に関わるたんぱく質mTORの働きを阻害し、効果を発揮します。 【用法・用量】 通常、成人にはシロリムスとして 2 mg を1日1回経口投与します。なお、患者の状態により適宜増減しますが、1日1回4mg を超えてはいけません。 | ||
7. 使用上の注意と服薬支援 | ||
【薬剤師への注意】 LAMの診断及び治療に精通した専門医は非常に限られており、LAM患者に対する日常診療の多くは非専門医により行われている実態があることから、 非専門医であっても専門医のいる拠点病院と協力しながら本剤が適正使用されるよう、次のような方策が予定されています。 ・本剤の納入希望医療機関に対して、専門医がいる拠点病院情報を提示するとともに、拠点病院名、専門医の連絡先、本剤の処方情報、患者の所見、要観察項目等を記載する患者日誌を提供する。 ・主治医を介して患者に患者日誌を提供し、来院時に主治医又は専門医に提示するよう指導を行う。 ・患者には、投与後1年間は3~6ヵ月に1度以上、2年目以降は専門医の判断により定期的に拠点病院に来院し、 専門医による検査を受診するよう指導し、LAMの進行度、胸部CT異常所見、副作用等の有無の確認を行う。 専門医は認められた重要な所見について主治医に開示し、必要に応じて経過観察等の指示を行う。 (参考:審査報告書) | ||
8. 製造販売元など | ||
製造販売元:ノーベルファーマ株式会社 お問合せ先: ノーベルファーマ株式会社 カスタマーセンター 0120-003-140 |