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1. 承認概要 | ||
新有効成分 2014年7月 / 2014年9月 発売 | ||
2. 薬効分類名 | ||
結核化学療法剤 | ||
3. 一般的名称 | ||
デラマニド錠 | ||
4. 適応症 | ||
本剤に感性の結核菌による多剤耐性肺結核 | ||
5. 類薬との比較 | ||
6. 特徴 | ||
【特徴】 約40年ぶりの新規結核治療薬であり、既存治療に耐性を有する多剤耐性結核菌に使用する初めての薬剤です。 多剤耐性結核とは、第一選択薬のイソニアジドとリファンピシンに同時に耐性となった結核のことです。 希少疾病用医薬品。該当患者数は年間110~120人とされます。 【背景】 現在、結核の標準治療では、リファンピシン(RFP:リファジン)、イソニアジド(INH:イスコチン、イソニアジド、ヒドラ)、エタンブトール(EB:エサンブトール、エブトール)、 ピラジナミド(PZA:ピラマイド)の4剤併用による2カ月間の強化療法に続き、RFPとINHの併用による4カ月の維持療法を行うこととされています。 一方、第1選択薬であるRFPとINHに耐性を有する多剤耐性肺結核患者に対しては、WHOのガイドラインでは、EBとPZAの2剤にカナマイシン等の注射用抗結核薬1剤と レボフロキサシン(クラビット)等のフルオロキノロン系抗菌薬1剤を加えた、4剤以上の併用を強く勧めています。 しかし、これらの治療プログラムを行ったとしても治癒率が50~70%、死亡率が約25%と報告されています。 日本では、年間110~120例の多剤耐性肺結核患者が発生しています。またINH とRFPだけでなく注射用抗結核薬とフルオロキノロン系抗菌薬に対しても耐性を示す 「超多剤耐性肺結核」の割合が諸外国よりも高く、2006 年には多剤耐性肺結核患者の約29%が超多剤耐性だったと報告されています。 日本人を含む多剤耐性肺結核患者を対象とした国際共同試験では、標準治療にデラマニドを2カ月間上乗せしたところ、喀痰中菌陰性化率はプラセボ群に比べ有意に高かったと報告されています。 さらに、2年後の最終治療転帰における有効な治療転帰患者の割合は、標準治療にデラマニドを2カ月以上上乗せした群で74.5%、上乗せが2カ月以下だった群が55.0%であったとされています。 【作用機序】 結核菌を含む抗酸菌に特有な細胞壁成分のミコール酸の生成を阻害し、抗結核作用を発揮します。 【用法・用量】 既存の抗結核薬3剤以上に上乗せして併用します。 通常、成人にはデラマニドとして1回100mgを1日2回朝、夕に食後経口投与します。 【副作用】 主な副作用は、不眠症(12.2%)、頭痛(10.4%)、QT延長(7.1%)、傾眠(6.3%)などで、重大な副作用としてはQT延長の発現が報告されており「警告」で注意喚起されています。 【相互作用】 QT延長を起こすことが知られている薬剤(キノロン系抗菌薬、クラスIA抗不整脈薬、クラスIII抗不整脈薬など)との併用に注意します。 | ||
7. 使用上の注意と服薬支援 | ||
【薬剤師への注意】 (1) 本剤に対する耐性菌発現を防ぐため、結核症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導のもとで投与し、適正使用に努める必要があります。 (2) 本剤の投与は、製造販売業者が行うRAP(Responsible Access Program)に登録された医師・薬剤師のいる登録医療機関・薬局において、登録患者に対して行います。 (3) QT延長があらわれるおそれがあるので、投与開始前及び投与中は定期的に心電図検査等を行います。 【患者さんへの説明例】 (1) 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人、授乳している婦人は使用できません。 (2) 空腹時に服用すると吸収が低下することがあるので、空腹時の服用は避けてください。 (3) いつもと違うめまい、動悸、胸が痛む、胸部の不快感のような症状がみられた場合には、危険な不整脈の初期症状の可能性がありますので、 すぐに医師・薬剤師に連絡してください。 | ||
8. 製造販売元など | ||
製造販売元:大塚製薬株式会社 お問合せ先:大塚製薬株式会社 医薬情報センター 0120-189-840 |