◆ 新薬情報 index

2013年6月製造販売承認

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■イーケプラドライシロップ50%■イーフェンバッカル錠 50μg,100μ…■イルトラ配合錠LD,HD■ウリアデック錠20mg,40mg,60m…■ルナベル配合錠ULD(併売)■ビソノテープ■リキスミア皮下注 300μg
■ イーフェンバッカル錠 50μg,100μg,200μg,400μg,600μg,800μg
緩和ケアのレスキュードーズに用いる強オピオイド製剤です。
1. 承認概要
新剤型・新用量 2013年6月 / 2013年9月※ 発売
2. 薬効分類名
口腔粘膜吸収癌性疼痛治療剤
3. 一般的名称
フェンタニルクエン酸塩 口腔粘膜吸収製剤
4. 適応症
強オピオイド鎮痛剤を定時投与中の癌患者における突出痛の鎮痛
5. 類薬との比較

<本剤について薬剤師国家試験が出題されています>
国試104回、問284-285 
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問284 
45歳男性。結腸がんによる結腸切除術後に全身に転移が見られ、処方1により疼痛コントロールを行っていた。今回、疼痛増悪による疼痛コントロール目的で入院となり、処方2に変更となった。
(処方1)
オキシコドン塩酸塩水和物徐放錠20mg 1回1錠(1日2錠)
オキシコドン塩酸塩水和物徐放錠10mg 1回1錠(1日2錠)
1日2回 8時、20時 14日分
オキシコドン塩酸塩水和物散10mg 1回1包
オキシコドン塩酸塩水和物散5mg 1回1包
    疼痛時 10回分
 
(処方2)
オキシコドン塩酸塩水和物徐放錠40m 1回1錠(1日2錠)
   1日2回 8時、20時 3日分
オキシコドン塩酸塩水和物散20mg 1回1包
    疼痛時 5回分
入院時に薬剤師が行った痛みの評価では、「午後になると痛みが強くなる、NRS(Numerical Rating Scale):8/10」、「どのタイミングか不明だが突然痛みが出る。痛みが出始めるとすぐに強い痛みとなる、NRS:8/10」とのことであった。 処方2の薬剤服用開始後に行った評価は、「午後になると強くなる痛みは改善、NRS:3/10」、「突然痛くなる状況は変化がない、NRS:8/10」であり、この結果を受けて緩和ケアチームで患者の処方を検討することになった。
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問284(実務)
緩和ケアチームの薬剤師は、オキシコドン塩酸塩水和物散からの処方変更を提案した。代替の薬剤として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
1 フェンタニル経皮吸収型製剤
2 フェンタニルクエン酸塩舌下
3 モルヒネ硫酸塩水和物徐放性細粒
4 モルヒネ塩酸塩水和物坐剤
5 モルヒネ塩酸塩注射液
 
正解:2 (解説:レスキューの代替えが必要なので、1と3は除外され、この患者さんは経口投与可能なので4、5は除外されます。)
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問285(薬剤)
前問での提案の理由として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
 
1 初回通過効果の回避
2 有効血中濃度の持続
3 速やかな薬効の発現
4 バイオアベイラビリティの改善
5 副作用の回避
 
正解:3 (解説:「突然痛くなる状況は変化がない」のでレスキュードーズを他剤に変更したい)
6. 特徴
緩和ケアのレスキュードーズに用いる強オピオイド製剤で、口腔粘膜から吸収され、全身作用を期待するバッカル製剤です。上あごの歯茎と頬の間に投与すると口腔粘膜から吸収されます。 このため、消化器官に障害があったり、嚥下困難な患者への投与が可能となります。
一般的に、バッカル錠は口腔粘膜から徐々に吸収され全身作用を期待します。 一方トローチ剤は局所作用を期待、舌下錠は急速に吸収させて全身作用を期待します。

※発売日... 50μg,100μg,200μg,400μg:2013年9月/600μg,800μg:2013年10月
 
口に含むとすぐに吸収されて、痛みを速く取り除きます。噛んだり舐めたりせずに使用してください。
7. 使用上の注意と服薬支援
(1) 速効性のがん性疼痛治療薬です。基本となるオピオイド鎮痛薬による疼痛治療中の突出痛(一時的にあらわれる強い痛み)に対してのみ用います。
(2) 口に含むとすぐに吸収されて、痛みを速く取り除きます。口腔粘膜から吸収させる製剤ですので、噛んだり舐めたりせずに使用してください。
(3) 1回あたりの投与錠数は4錠(左右の上顎臼歯の歯茎と頬との間に2錠ずつ)までとします。また、用量調節後は同じ用量の規格に切り替えて、1回1錠を投与することが望ましいです。 1日に4回を超える突出痛の発現が続く場合には、定時投与中の強オピオイド鎮痛剤の増量を検討します。
(4) 副作用で多いのは、眠気やめまい、吐き気や嘔吐、便秘などです。便秘に対しては下剤で対処します。
8. 製造販売元など
製造販売元:帝國製薬株式会社
お問合せ先:大鵬薬品工業(株) 製品情報部 医薬品情報課 0120-20-4527
(文責 下平秀夫) 2013年10月/2023年5月更新