◆ 新薬情報 index

2015年9月製造販売承認

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■ピートルチュアブル錠250mg,500m…■イフェクサーSRカプセル37.5mg,7…■ヴィキラックス配合錠■エクメット配合錠LD,HD■ザガーロカプセル0.1mg,0.5mg■マリゼブ錠12.5mg,25mg■ミティキュアダニ舌下錠3300JAU,1…■スピオルト レスピマット28吸入(,60…■ゼビアックスローション2% / 油性クリ…■ロコアテープ
■ ゼビアックスローション2% / 油性クリーム2%
ゼビアックスローション2% / 油性クリーム2%
1. 承認概要
新有効成分 2015年9月 / 2016年1月 発売
2. 薬効分類名
キノロン系外用抗菌剤
3. 一般的名称
オゼノキサシン
4. 適応症
<適応菌種> オゼノキサシンに感性のブドウ球菌属、アクネ菌
<適応症> 表在性皮膚感染症、ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)
5. 類薬との比較

ゼビアックスローション2%は2016年6月より発売され、同 油性クリーム2%は2021年6月に発売されました。
油性クリームはアルコールを含まないため、ただれている、びらん部分に塗布してもしみにくいため、伝染性膿痂疹(とびひ)のような場合にも使用しやすいです。 (2024-02-09 加筆)

ざ瘡に適応を有する外用抗菌薬としては、ニューキノロン系のアクアチム、リコマイシン系のダラシンTに続く3剤目です。ニューキノロン系抗菌薬で表在性皮膚感染症に適応のあるのは、本剤とアクアチムクリーム、およびアクアチム軟膏です。アクアチムは1日2回の塗布ですが、本剤は1日1回の塗布です。これは国内臨床試験で1日1回塗布と1日2回塗布を比較したところ、有効性と安全性が同程度であったためです。
6. 特徴
【特徴】
本剤は、ざ瘡(ニキビ)の原因菌であるアクネ菌、とびひなどの表在性皮膚感染症の原因菌となる黄色ブドウ球菌に対して、殺菌的な抗菌活性を持つニューキノロン系の外用薬です。ローション剤ですが粘性があるので、ざ瘡には指先に取って赤ニキビの上に1日1回塗布して用います。

【尋常性ざ瘡とは】
ざ瘡は一般にニキビと呼ばれます。遊離脂肪酸の刺激により毛嚢(もうのう)の出口に角質増殖が起こると、毛穴が塞がって皮脂がたまり、面皰(めんぽう)と呼ばれる発疹ができます。次に毛嚢の出口でざ瘡(アクネ)桿菌が増殖することで、毛嚢・脂腺(しせん)系の慢性炎症を生じる皮膚疾患です。

【表在性皮膚感染症とは】
表在性皮膚感染症とは、黄色ブドウ球菌やレンサ球菌などの細菌が毛穴や傷口から侵入することで炎症をおこす皮膚疾患であり、化膿性皮膚炎、伝染性膿痂疹(とびひ)、毛瘡(かみそりまけ)、毛包炎などが含まれます。

【承認状況】
2015年5月現在、この適応で承認されている国や地域はありません。

【作用機序】
本剤は、細菌のDNA複製に関与するⅡ型トポイソメラーゼ(DNAジャイレース及びトポイソメラーゼⅣ)を阻害して、尋常性ざ瘡や表在性皮膚感染症の病態に関与するアクネ菌、表皮ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌などに対して殺菌的な抗菌作用を示します。

【用法・用量】
本剤の適量を1日1回、患部に塗布します。なお、ざ瘡に対しては洗顔後、患部に塗布します。

【副作用】
承認時までの臨床試験において、757例中35例(4.6%)に副作用が認められました。主な副作用は、適用部位そう痒感8例(1.1%)、適用部位乾燥8例(1.1%)、適用部位刺激感7例(0.9%)等です。(承認時)
7. 使用上の注意と服薬支援
【薬剤師への注意】
(1)耐性菌の発現を防ぐため、表在性皮膚感染症の治療にあたっては1週間、ざ瘡の治療にあたっては4週間で効果が認められない場合は使用を中止します。また、炎症性皮疹が消失した場合には継続使用しません。
(2)本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、疾病の治療上必要な最小限の期間の使用にとどめるようにします。

【患者さんへの説明例】
(1)本剤は1日1回塗ることで「赤ニキビ」に効果のあるお薬です。
(2)塗る前に、洗顔で顔の肌を清潔にしておきます。
(3)本剤を人差し指に適量取り出し、赤ニキビを覆うように塗布します。
(4)手指についた本剤はしっかり洗い流します。また、目に入った場合は、速やかに水で洗い流してください。
(5)塗る期間の目安は赤ニキビが消えるまでです。症状がある間は毎日塗ります。

【ベピオゲル・ローションと混ざるとゼビアックスが黄色になってしまう2024-02-09
抗菌薬・ざ瘡治療薬のゼビアックス(オゼノキサシン)の適用上の注意(薬剤使用時の注意)に「本剤は過酸化ベンゾイル製剤(ベピオゲル)と重ねて塗布すると黄色に変色することがあるため、皮膚や衣服等への着色に注意すること。」が追加されました。

<理由>
これは オゼノキサシンのpH(約10.5)が、酸化剤である過酸化ベンゾイルと混ざることにより、塩基性から中性に変化するためと推察されています。

<対応>
両剤ともに、1日1回、洗顔後に患部に塗布する外用薬ですが、過酸化ベンゾイル塗布後は強い日光・紫外線が当たると乾燥やヒリヒリ感といった副作用が出る恐れがあります。そこで、例えばゼビアックスは朝に、ベピオは夜に塗布することで対処できると考えられています。使用期間としては、ゼビアックスはキノロン系の抗菌薬であり、耐性菌出現を避けるため、炎症性皮疹が消失した時点で中止することが多く、一方、ベピオは、赤味が引いた後も一定期間は塗布する場合が多いとのことです。
例えばベピオゲルは夜に、ゼビアックスは朝に塗布することで対処
8. 製造販売元など
製造販売元:マルホ株式会社
お問合せ先:マルホ株式会社 製品情報センター 0120-12-2834

更新: <剤形追加> 油性クリーム2%について加筆 2024-02-09

更新: <添付文書改訂> 過酸化ベンゾイル製剤と重ねて塗布すると黄色に変色することがあることについて加筆 2024-02-09
(文責 下平秀夫) 2016年2月/2024年2月更新