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1. 承認概要 | ||
新剤型・新用量 2013年9月 / 2013年12月 発売 | ||
2. 薬効分類名 | ||
癌疼痛治療剤 | ||
3. 一般的名称 | ||
フェンタニルクエン酸塩舌下錠 | ||
4. 適応症 | ||
強オピオイド鎮痛剤を定時投与中の癌患者における突出痛の鎮痛 | ||
5. 類薬との比較 | ||
6. 特徴 | ||
【背景】 我が国で癌性疼痛に用いる強オピオイドには、モルヒネ、オキシコドン、フェンタニルの他に2012年11月からメサドンが加わり、選択肢が増えています。 一方、癌性疼痛においては、オピオイド鎮痛薬の定時投与により疼痛をある程度緩和できても、一時的に増強する痛み(突出痛)がしばしば出現します。 この突出痛を緩和するために、速放性のオピオイド製剤を使用した追加投与(レスキュードーズ)が必要となります。 本剤は、舌下投与によるフェンタニルの速やかな吸収により、癌性疼痛の持続的疼痛管理時に起こる突出痛に対応する製剤で、 経口摂取が困難な患者さんの利便性向上が期待できます。同成分でレスキューに用いることができる製剤は、 これまでに、注射剤(フェンタニル)、バッカル製剤(アクレフ、イーフェン--2013年9月発売)があります。 【特徴と留意点】 便秘はオピオイドを投与された患者さんに高頻度に起り、耐性形成がほとんどないといわれています。 一方、フェンタニルの特徴として、便秘を引き起こすとされるμ2オピオイド受容体よりもμ1受容体への選択性が高いため、 モルヒネに比べて便秘を起こしにくく、モルヒネからのオピオイドローテーションなどにも有用とされています。 フェンタニルの相互作用としては、主として肝代謝酵素CYP3A4で代謝されるので、 例えばグレープフルーツジュースが本剤の血中濃度を上昇させる場合があるなど注意が必要です。 2013年5月現在、癌性突出痛の適応で35ヶ国で承認されています。投与量は海外と同様に100μgから開始して最高用量を800μgとし 漸増により至適用量を決定します。このため他のフェンタニル速放性製剤から同一用量で切り替えることはできません。 本剤の投与間隔は少なくとも2時間はあけます。1日4回を超える突出痛の発現が続く場合には、定時投与中の強オピオイドの増量を検討します。 | ||
7. 使用上の注意と服薬支援 | ||
(1) 舌下投与によって速やかに吸収され、一時的に増強する痛み(突出痛)に用いる治療剤です。 (2) 舌下の奥の方に入れて自然に溶解させることで、舌下の口腔粘膜から吸収してすばやく効きます。 (3) そのまま飲み込んだり、なめたり、噛み砕いたりしないでください。 誤って飲み込んだ場合も1回の投与とし、再投与は避けてください。 (4) 水なしで服用してください。ただし、口腔内乾燥がある患者さんの場合は、服用前に口腔内を水で湿らせてもよいです。 (5) 眠気、めまいが起こることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作をしないでください。 (6) 誤用防止のため、含量の異なる本剤を同時に使用しません。 (7) 吸湿により硬度が低下するため、アルミニウム袋開封後は開封口を閉じて保存してください。 | ||
8. 製造販売元など | ||
製造販売元:協和発酵キリン株式会社 お問合せ先:協和発酵キリン株式会社 くすり相談窓口 0120-381332 |