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1. 承認概要 | ||
新剤型 2023年6月 / 2023年11月 発売 | ||
2. 薬効分類名 | ||
高脂血症治療剤 | ||
3. 一般的名称 | ||
ペマフィブラート徐放錠 | ||
4. 適応症 | ||
高脂血症(家族性を含む) | ||
5. 類薬との比較 | ||
フィブラート系薬剤はTG低下作用と、HDL-コレステロール情報作用を併せ持ちます。その中で、フェノフィブラートは尿酸排泄作用も有し、高尿酸血症を伴う高TG血症に適しているといわれています。 一方本剤は、PPARの活性化作用が強いため、低濃度でもTG低下作用が得られるため、肝障害などの副作用の軽減が期待されています。 | ||
6. 特徴 | ||
【特徴】 本剤は、既存のパルモディア錠0.1mgの徐放性製剤で、1日1回の服用で血中の中性脂肪(TG)を低下させるとともにHDL-コレステロール(HDL-C)を増加させることが期待されています。 【承認状況】 海外では承認されていません(2023年6月現在)。 【作用機序】 本剤はフィブラート系(PPAの作動薬)に分類され、選択的 PPARαモジュレーターとして主に肝臓の脂質代謝に関わる遺伝子の発現を調整することにより、血清 TG の低下等の脂質代謝を総合的に改善させます。 【用法・用量】 通常、成人にはペマフィブラートとして1回0.2mgを1日1回経口投与します。TG高値の程度により、1回0.4mgを1日1回まで増量することができます。 【副作用】 承認時までの国内臨床試験において、臨床検査値異常を含む副作用は358例中33例(9.2%)に発現しました。0.5%以上に生じた副作用はALT上昇、CK上昇、筋肉痛、発疹でした。 なお、重大な副作用として、横紋筋融解症(頻度不明)が設定されています。
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7. 使用上の注意と服薬支援 | ||
【薬剤師への注意】 1.粉砕やかみ砕いたりした場合、徐放性が失われて薬物動態が変わる可能性があるので、そのままかまずに服用するように指導しましょう。 2.重篤な肝障害、Child-Pugh分類B又はCの肝硬変のある患者あるいは胆道閉塞のある患者には、禁忌です。 3.腎機能による投与制限 フィブラート系薬剤は腎機能に応じて投与量が制限されています。本剤の場合、eGFR<30は低用量から開始するか、投与間隔を延長することになっています。 【患者さんへの指導例】 1.中性脂肪を低下させ、善玉コレステロールを増やす薬です。 2.本剤は砕いたり、すりつぶしたりせずに、かまずにそのまま服用してください。 3.足のしびれ・痙攣、脱力感、覚えのない筋肉痛など、いつもと違う症状が現れたらすぐに連絡してください。 4.禁煙・運動・食生活など、生活習慣の改善も併せて行いましょう。 【ここがポイント!】 2017年7月に1日2回投与の即放性製剤のペマフィブラート錠(商品名:パルモディア錠0.1mg、以下「IR錠」)が承認され、2018年6月より販売されています。今回、新たな製剤として、1日1回投与の徐放性(Extended Release)製剤のXR錠が承認されました。服用回数が多いと服薬アドヒアランスが問題となることがありますが、本剤は1日1回の服薬で治療効果が得られるため、良好な服薬アドヒアランスと脂質コントロールが可能になると期待されています。 本剤は、フィブラート系薬に分類される高脂血症治療薬(*1)で、核内受容体であるペルオキシソーム増殖因子活性化受容体PPARαに選択的に結合し、脂質代謝遺伝子の発現を調節することで、血中のTGを低下させるとともにHDL-Cを増加させる作用を有します。 既存のフィブラート系薬剤は、禁忌に腎機能障害の文言がありません。本剤は肝代謝型薬剤であるため、腎機能が低下している患者にも使用しやすいという利点があります。一方で肝機能が低下している患者では注意が必要です。 IR錠の第III相臨床試験であるフェノフィブラートとの比較検証試験において、TGのベースラインからの減少率は、フェノフィブラート群と比べ有意な差があったという結果が得られています(*1)。 本剤はマルチプルユニット型の徐放性製剤ですので、砕いたり、すりつぶしたりして服用すると、本剤の徐放性が損なわれ、薬物動態が変わる恐れがあります。服薬指導では、そのまま服用するように説明しましょう。 *1:現在は脂質異常症という名称が一般的ですが、臨床比較した医薬品との関係により高脂血症となっています | ||
8. 製造販売元など | ||
製造販売元:興和株式会社 お問合せ先:興和株式会社 くすり相談センター 0120-508-514 更新 2023年11月 発売について追記 製剤写真を追加 更新 2023年12月 禁忌に腎機能障害がないことを追記 |