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1. 承認概要 | ||
新用量 2022年1月 / 2022年2月 発売(薬価未収載) | ||
2. 薬効分類名 | ||
ウイルスワクチン類 | ||
3. 一般的名称 | ||
コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2) | ||
4. 適応症 | ||
SARS-CoV-2による感染症 | ||
5. 類薬との比較 | ||
6. 特徴 | ||
【特徴】 SARS-CoV-2による感染症の予防の適応で、2022年1月21日に特例承認されました。これまで新型コロナワクチンの接種対象外であった5~11歳の小児が適応となるため、小学校などでの集団感染や子供が発端となる家庭内感染を抑えることが期待されています。 【承認状況】 本剤は、わが国で特例承認されたものであり、承認時における長期安定性に係る情報は限られているため、製造販売後も引き続き情報を収集する必要があります。そのため、本剤の使用にあたっては、あらかじめ被接種者又は代諾者に、本剤に関する最新の有効性及び安全性について文書で説明した上で、予診票等で文書による同意を得た上で接種します。 【作用機序】 本剤は、新型コロナウイルスの一部のスパイクタンパク質のmRNA(設計図)が脂質膜でコーティングされています。これが筋肉注射により体内に注入され、ヒトの細胞内に入ることにより、新型コロナウイルスの突起物のスパイクタンパク質の一部が作られます。 これにより、ヒト免疫細胞がそのスパイクタンパク質を異物と認識して、抗体が作られます(液性免疫)。また攻撃をキラーT細胞に指示して直接ウイルスを攻撃できるようにもなります(細胞性免疫)。なお、取り込まれたmRNAは分解されるので、人間のDNAが存在する細胞核の中には原理的に入ってこないといわれています。 【用法・用量】 日局生理食塩液1.3mLで希釈し、1回0.2mLを合計2回、通常3週間の間隔で筋肉内に接種します。1回目の接種から3週間を超えた場合には、できる限り速やかに2回目の接種を実施します。 本剤は2回接種により効果が確認されているため、原則として、同一の効能・効果をもつ他ワクチンと混同することなく2回接種します。 <供給・保管に関する注意> 本剤は冷蔵庫(2~8℃)で解凍後、10週間の保存が可能であり、超低温冷凍庫の設備は必須ではありません。30℃を超えない室温で解凍する場合は、解凍開始から24時間以内(一度針を刺した後の時間を含む)に使用します。希釈後は2~30℃で12時間までの保存が可能となっています。 【副作用】 臨床試験で報告された主な副反応は、注射部位疼痛84.3%、疲労51.7%、頭痛38.2%、発赤・紅斑26.4%、腫脹20.4%、筋肉痛17.5%、悪寒12.4%などでした。また、重大な副反応として、ショック、アナフィラキシー、心筋炎、心膜炎(いずれも頻度不明)が報告されています。
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7. 使用上の注意と服薬支援 | ||
【薬剤師への注意】 1.本剤は、希釈後の濃度が従来製剤の半分になるように調整されており、0.2mLで有効成分10μg(12歳以上への投与量の3分の1)が投与されます。従来製剤とは希釈液量が異なるので代用はできません。 2.デッドボリュームの少ない注射針またはシリンジを使用した場合、10回分を採取することができます。1回量0.2mLを採取できない場合は、残量は使わずに廃棄します。 3.従来製剤のバイアルキャップは紫色ですが、取り違えを防ぐため、小児用の本剤はオレンジ色となっています。そのほか、両剤の違いは「適正使用ガイド」にまとめられています。 【患者さんへの指導例】 1.このワクチンを接種することで新型コロナウイルスに対する免疫ができ、新型コロナウイルス感染症の発症を予防します。 2.本剤の接種当日は激しい運動を避け、接種部位を清潔に保ってください。 3.医師による問診、検温および診察の結果から、接種できるかどうかが判断されます。発熱している人などは、本剤の接種を受けることができません。 4.合計2回を3週間の間隔で筋肉内に接種します。1回目の接種から3週間を超えた場合は、できる限り速やかに本剤の2回目の接種を受けてください。 5.本剤の接種直後または接種後に、心因性反応を含む血管迷走神経反射として、失神が現れることがあります。接種後一定時間は接種施設で待機し、帰宅後もすぐに医師と連絡を取れるようにしておいてください。 6.接種後は健康状態に留意し、接種部位の異常や体調の変化、高熱、痙攣など普段と違う症状がある場合には、速やかに医師の診察を受けてください。 7.心筋炎、心膜炎が疑われる症状(胸痛、動悸、むくみ、呼吸困難、頻呼吸など)が認められた場合には、すみやかに医師の診察を受けてください。 【ここがポイント!】 本剤は12歳以上が対象のmRNAワクチン「コミナティ筋注」(2021年2月承認)と同一有効成分であり、11歳以下であっても使用できる小児用新型コロナワクチンとして初めて特例承認されました。5~11歳を対象に行った海外の臨床試験では、90.7%の有効性が確認されています。 1回目の接種から3週間を超えた場合には、できる限り速やかに2回目の接種を受ける必要があります。なお、従来製剤と違い、3回目の追加免疫は認められていません(2022年3月現在)。 なお、国内でこれまでに承認されている新型コロナワクチンには、12歳以上に用いるモデルナ製mRNAワクチン(商品名:スパイクバックス筋注)、原則40歳以上に用いるアストラゼネカ製ウイルスベクター(商品名:バキスゼブリア筋注)があります。 | ||
8. 製造販売元など | ||
製造販売元:ファイザー株式会社 お問合せ先:ファイザー株式会社 新型コロナウイルスワクチン専用ダイヤル 0120-146-744 更新 2023.07.07 イラスト・説明 |