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1. 承認概要 | ||
新有効成分 2014年12月 / 2015年4月 発売 | ||
2. 薬効分類名 | ||
尋常性ざ瘡治療剤 | ||
3. 一般的名称 | ||
過酸化ベンゾイル | ||
4. 適応症 | ||
尋常性ざ瘡 | ||
5. 類薬との比較 | ||
![]() ■過酸化ベンゾイル ★2025年6月に、ベピオウォッシュゲル 5%が発売されました 赤ニキビに対して、アクネ菌を殺菌することで効果を発揮します。過酸化ベンゾイルに対する耐性菌は現在のところ発見されていません。また、角質を剥がす作用があることから白ニキビに対しても有効です。皮膚に刺激があります。 ■アダパレン 毛穴の細胞の正しい角化を導く作用のある薬剤です。毛穴の入り口が詰まってしまうことを防ぐことにより、新しい白ニキビの形成を予防します。妊娠をしている方には使用できません。 ■抗菌剤外用 赤ニキビの治療法です。ナジフロキサシン、クリンダマイシン、オゼノキサシンといった抗菌剤がアクネ菌をの発育を阻止します。 | ||
6. 特徴 | ||
【特徴】 ベピオゲルは、肌に直接塗るゲルで、皮膚にしっかり密着して効きます。 ベピオローションは液体タイプで、広い範囲にもぬりやすく、保湿効果のスクワラン、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、セトステアリルアルコールが加わり、ゲルタイプより刺激が少ないという特徴があります。ベピオウォッシュゲルは塗ってから洗い流すタイプの製剤です。 【作用機序】 アクネ菌は嫌気性菌で、酸素を嫌います。本剤は強力な酸化剤であり、分解によって生じたフリーラジカルがアクネ菌に対して抗菌作用を示します。 また、フリーラジカルは角質剥離を促し、毛穴の角質肥厚を改善します。 【承認状況】 海外では、同成分を含有する外用剤として欧米など41カ国で承認済です(2014年4月現在)。 【背景】 海外では、抗菌薬の長期使用による薬剤耐性P.acnesの出現が大きな問題となっており、欧米などでは耐性菌の心配がない過酸化ベンゾイル含有製剤が標準治療となっています。 わが国ではまだこのような耐性菌の出現頻度は低いのですが、 将来心配される耐性菌の問題を回避するために、日本皮膚科学会が厚生労働省に早期開発・承認の要望書を提出していました(2014年当時)。その後、改良製剤として2023年にベピオローションが発売、2025年にベピオウォッシュゲルが発売されました。 欧米及び国内の尋常性ざ瘡の治療ガイドラインでは、過酸化ベンゾイルの外用剤は、標準的な治療薬となっており、欧米では、最大 10%までの過酸化ベンゾイルを含有した短時間接触療法用製剤が、処方箋医薬品及び 市販薬として利用されています。 【用法・用量】 <ベピオゲル2.5%> 1日1回、洗顔後、患部に適量を塗布します。 <ベピオウォッシュゲル5%> 1日1回、洗顔後、患部に適量を塗布し、5~10分後に洗 い流します。 【副作用】 <ベピオゲル2.5%> 承認時までの臨床試験で、435例中190例(43.7%)に副 <ベピオウォッシュゲル5%> 副作用の発現割合は、8.9%(8/90 例)。投与中止又は休薬を必要とした副作用の発現割合は、 1.1%(1/90 例)。主な副作用として適用部位紅斑 3.3%[3/90例]、適用部位刺激感(3.3%[3/90 例]でした。このようにベピオゲル2.5%に比較して皮膚刺激感 ■<ベピオウォッシュゲル5%>添付文書 ■患者向医薬品ガイド
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7. 使用上の注意と服薬支援 | ||
【薬剤師への注意】 (1) 化学的な刺激によって強力な抗菌作用を示すので、肌への刺激があります。特に使い始めは刺激感や発赤を生じることがあります。症状が強い場合には必要に応じて休薬の処置をしてください。 (2) 過酸化ベンゾイルはその酸化作用による漂白作用を利用して、一部の白髪染めや歯磨き粉にも含まれています。髪や服に付着すると脱色する恐れがあるため、患部以外には付けないように指導する必要があります。 【患者さんへの説明例 : 3剤共通】 (1) 特に使い始めは皮膚刺激感や発赤があらわれることがあります。 (2) 本剤は漂白作用があるので、髪、衣料等に付着しないように注意してください。 (3) 眼、口唇、その他の粘膜及び傷口に使用しないでください。これらの部位に本剤が付着した場合は、直ちに水で洗い流してください。 (4) 本剤の使用中には日光への曝露を最小限にとどめ、日焼けランプの使用は避けます。 【ここがポイント!】 2025年6月に、ベピオウォッシュゲル 5%が発売されました。本剤は、国内では初めての、短時間接触療法による尋常性ざ瘡治療用ゲルで塗布後、5~10 分後に洗い流します。従来のベピオゲルや同ローションに比べて刺激を軽減しながらも、高い殺菌・角質除去効果が期待できます。
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8. 製造販売元など | ||
製造販売元:マルホ株式会社 お問合せ先:マルホ株式会社 製品情報センター 0120-12-2834 |