◆ 添付文書改訂情報 index

2023年3月添付文書改訂

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■エンハーツ点滴静注用100mg■シルガード9水性懸濁筋注シリンジ
■ シルガード9水性懸濁筋注シリンジ
3種類目の子宮頸がん予防ワクチンですが、予防するヒトパピローマウイルス(HPV)の数が9つと、一番多いです。
1. 改訂年月
2023年3月
2. 改訂内容
<追加>[下線部追加改訂]
【用法・用量】
9歳以上15歳未満の女性は、初回接種から6~12ヵ月の間隔を置いた合計2回の接種とすることができる。

【用法・用量に関連する注意】
9歳以上15歳未満の女性に合計2回の接種をする場合、13ヵ月後までに接種することが望ましい。なお、本剤の2回目の接種を初回接種から6ヵ月以上間隔を置いて実施できない場合、2回目の接種は初回接種から少なくとも5ヵ月以上間隔を置いて実施すること。2回目の接種が初回接種から5ヵ月後未満であった場合、3回目の接種を実施すること。この場合、3回目の接種は2回目の接種から少なくとも3ヵ月以上間隔を置いて実施すること。
3. 解説
★​HPVワクチンであるシルガード9水性懸濁筋注シリンジ(一般名:組換え沈降9価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン(酵母由来))について、2回目の接種が追加され、公費で接種できるようになりました。

【ここがポイント!】
本剤は、わが国で3番目に発売されたHPVワクチンです。既存薬の1つである2価ワクチン(商品名:サーバリックス)は、子宮頸がんの主な原因となるHPV16型と18型の感染を、もう1つの既存薬である4価ワクチン(同:ガーダシル)は上記に加えて尖圭コンジローマなどの原因となる6型と11型の感染を予防します。本剤は、これら4つのHPV型に加えて、31型・33型・45型・52型・58型の感染も予防する9価のHPVワクチンです。
本剤について、9歳以上15歳未満の女性に対する計2回接種の用法および用量を追加する一変承認が取得されました。これまでは計3回接種となっていましたが、接種回数が減ることで、ワクチン接種者や医療者の負担軽減が期待できます。
また、既存の2価/4価ワクチンは定期接種の対象で、小学6年生~高校1年生相当の女子は公費助成によって無料で接種を受けることができますが、これまで本剤は任意接種で自費での接種でした。2023年3月7日の厚生労働省の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会で、小学校6年生~15歳未満までに対する9価HPVワクチンの2回接種も、4月1日から定期接種化することが決定され、自費から公費接種に移行する準備が進められます。

更新 2023.05.14 イラスト説明加筆
子宮頸がんはHPVに持続的に感染する事でなります。予防するために2023年4月から本剤を無料で接種できるようになりました。
(文責 下平秀夫) 2023年5月/2023年5月更新