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2021年8月添付文書改訂

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■フェントステープ0.5mg,同1mg,同…■フォシーガ錠5mg,10mg
■ フォシーガ錠5mg,10mg
フォシーガ錠5mg
1. 改訂年月
2021年8月
2. 改訂内容
<追加>[下線部追加改訂]
【効能・効果】
〇慢性腎臓病
ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く。

3. 解説
★SGLT2阻害薬のフォシーガ錠(一般名:ダパグリフロジン)の効能効果に、成人の慢性腎臓病(CKD)が追加されました。わが国でCKDに適応を持った初めての薬剤です。

【慢性腎臓病(CKD)】
慢性腎臓病は、糖尿病などで腎臓の機能が低下することで生じる進行性の病気で、悪化すれば体に有害な尿素などを取り除くことができずに人工透析が必要になることもあります。国内に約1330万人いるとされています。

【ここがポイント!】
本剤はSGLT2阻害薬として「2型糖尿病」を効能・効果として2014年に発売されました。その後、2019年3月に「1型糖尿病」、2020年11月に「慢性心不全」の適応拡大がおこなわれ、今回、「慢性腎臓病」の適応が追加されました。
現在わが国では、腎機能が比較的保たれ蛋白尿を認めるCKD患者等にACE 阻害薬あるいはARBが用いられ、一部の薬剤は CKD の原疾患の一つである糖尿病性腎症の効能・効果を有しています。しかし、これまで様々な病因から成る CKD に対する適応を持つ薬剤はありませんでした。 
本剤は第Ⅲ相DAPA-CKD試験において、CKDステージ2~4、かつ尿中アルブミン排泄の増加を認める患者さんを対象に、ACE阻害薬もしくはARB との併用で、腎機能の悪化、末期腎不全 への進行、心血管死または腎不全による死亡のいずれかの発生による複合主要評価項目のリスクを、プラセボと比較して、39%低下させたと報告されています。 
本剤の CKD に対する作用機序は明確ではありませんが、SGLT2 阻害による血糖降下作用に加え、糸球体血行動態の改善による腎保護作用が寄与していると考えられています。
(文責 下平秀夫) 2021年9月