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1. 承認概要 | ||
新有効成分 2022年6月 / 未発売 | ||
2. 薬効分類名 | ||
ウイルスワクチン類 生物学的製剤基準 | ||
3. 一般的名称 | ||
コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン(遺伝子組換えアデノウイルスベクター) | ||
4. 適応症 | ||
SARS-CoV-2による感染症の予防 | ||
5. 類薬との比較 | ||
6. 特徴 | ||
【特徴】 本剤は、わが国で2剤目として承認されたウイルスベクターワクチンであり、1回の接種で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を予防することが期待されています。 【承認状況】 100以上の国または地域で承認されています(2022年3月現在)。 【作用機序】 本剤は、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質(ウイルスが宿主細胞に侵入する際に必要なタンパク質)をコードする遺伝子を挿入した非増殖性の組換えヒトアデノウイルス26型(Ad26)ベクターを有効成分としています。本剤の投与により細胞内で局所的に発現するSARS-CoV-2のスパイクタンパク質に対し、液性および細胞性免疫応答が誘導されます。 【用法・用量】 通常、1回0.5mLを筋肉内に接種します。追加免疫については、本剤の初回接種から少なくとも2ヵ月経過した後に2回目の接種を行うことができます。 【副作用】 主な副反応として、注射部位疼痛(57.9%)、疲労(46.1%)、頭痛(44.7%)、筋肉痛(40.4%)などが報告されています。 また、重大な副反応として、ショック、アナフィラキシー、血栓症・血栓塞栓症(脳静脈血栓症・脳静脈洞血栓症、内臓静脈血栓症等)、ギラン・バレー症候群(いずれも頻度不明)が設定されています。
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7. 使用上の注意と服薬支援 | ||
【薬剤師への注意】 1.「重要な基本的注意」に血小板減少を伴う血栓症(TTS)について注意喚起されています。本症の多くは接種後3週間以内に発現し、致死的転帰の症例も報告されているため、血栓塞栓症もしくは血小板減少症のリスク因子を有する者への接種には注意が必要です。 【患者さんへの指導例】 1.このワクチンを接種することで新型コロナウイルスに対する免疫ができ、新型コロナウイルス感染症の発症を予防します。 2.医師による問診や検温、診察の結果から接種できるかどうかが判断されます。発熱している人などは本剤の接種を受けることができません。 3.本剤の接種当日は激しい運動を避け、接種部位を清潔に保ってください。接種後は健康状態に留意し、接種部位の異常や体調の変化、高熱、痙攣など普段と違う症状がある場合には、速やかに医師の診察を受けてください。 4.1回の接種で予防できるワクチンです。初回接種から2ヵ月以上経過した後に2回目の接種(追加免疫)を受けることができます。追加免疫の要否は医師により判断されます。 5.本剤の接種直後または接種後に、心因性反応を含む血管迷走神経反射として失神が現れることがあります。接種後一定時間は接種施設で待機し、帰宅後もすぐに医師と連絡を取れるようにしておいてください。 6.ワクチン接種後に、鼻血、青あざができる、出血が止まりにくい、ふくらはぎの痛み・腫れ、手足のしびれ、鋭い胸の痛みなどが起こった場合には、血栓症の恐れがありますので、すぐに受診してください。 【ここがポイント!】 本剤は、わが国で5番目の新型コロナウイルスワクチンとして承認された1回接種で予防効果が期待できるワクチンです。これまで承認されているワクチンは、mRNAワクチンであるコミナティ筋注/同5~11歳用、スパイクバックス筋注と、アデノウイルスベクターワクチンであるバキスゼブリア筋注、および組み換えスパイクタンパクを抗原としたヌバキソビッド筋注がありました。本剤はバキスゼブリア筋注に続く2剤目のウイルスベクターワクチンです。 本剤は新型コロナウイルスワクチンとして初めての1回接種型です。ワクチンを1回接種した場合、中等症や重症になるリスクを、未接種群と比較して約66%低減させたと報告されています。なお、予防効果を高めるために、2ヵ月以上経過してからの追加免疫が認められています。ただし、ほかのワクチンとの交互接種についての有効性および安全性は評価されていません。 1回接種は0.5mLで、本剤1バイアルには5回接種分が含まれています。特徴としては、発熱の副反応の頻度が少ないことが挙げられます。 なお、本剤について現時点では公費負担での接種とはならないため、接種希望者は自費での接種が想定されています。
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8. 製造販売元など | ||
製造販売元:ヤンセンファーマ株式会社 お問合せ先:ヤンセンファーマ株式会社 ジェコビデン製品情報コールセンター 0120-011-170 |