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1. 承認概要 | ||
新有効成分 2021年6月 / 2021年8月 発売 | ||
2. 薬効分類名 | ||
糖尿病治療薬 | ||
3. 一般的名称 | ||
イメグリミン塩酸塩 | ||
4. 適応症 | ||
2型糖尿病 | ||
5. 類薬との比較 | ||
類薬との比較はありません。 | ||
6. 特徴 | ||
【特徴】 本剤は、ミトコンドリアに作用する新しい機序の糖尿病治療薬であり、インスリン分泌低下型、インスリン抵抗性亢進型のいずれであっても血糖降下作用が期待できます。 【承認状況】 海外で製造販売が承認されている国・地域はありません(2021年8月現在)。 【作用機序】 本剤は、ミトコンドリアへの作用を介して、グルコース濃度依存的なインスリン分泌を促す膵作用と、肝臓・骨格筋での糖代謝を改善する膵外作用(糖新生抑制・糖取り込み能改善)の2つの作用により、血糖降下作用を示すと考えられています。 【用法・用量】 通常、成人にはイメグリミン塩酸塩として1回1,000mgを1日2回朝、夕に経口投与します。 なお、本剤とビグアナイド系薬剤は作用機序の一部が共通している可能性があります。臨床試験でも両剤を併用した場合は、ほかの糖尿病用薬との併用療法と比較して消化器症状が多く認められたことから、併用薬を選択する際は注意が必要です。 【副作用】 臨床試験において、本剤が投与された安全性評価対象1,103例中、副作用発現数は168例(15.2%)でした。主な副作用は、低血糖6.7%(74例)、悪心2.1%(23例)、下痢1.9%(21例)、便秘1.3%(14例)などでした。 なお、低血糖は重大な副作用としても報告されています。 | ||
7. 使用上の注意と服薬支援 | ||
【薬剤師への注意】 1.重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1 型糖尿病の患者さんには、輸液、インスリンによる速やかな高血糖の是正が必須であるため、禁忌となっています。 【患者さんへの指導例】 1.この薬は、血糖値に応じてインスリンの分泌を促す作用と、インスリンが働きにくい状態を改善する作用があり、これら2つの作用によって血糖値を改善します。 2.薬の服用により、低血糖症状を起こすことがあります。脱力感、高度の空腹感、発汗、震えなどの症状が認められた場合には、飴やジュースなどで糖分を摂取してください。α-グルコシダーゼ阻害薬を併用している場合はブドウ糖を摂取してください。 【ここがポイント!】 本剤は、既存の経口糖尿病治療薬とは異なる構造を有しており、ミトコンドリアへの作用を介してグルコース濃度依存的なインスリン分泌を促す膵作用と、肝臓・骨格筋での糖代謝を改善する膵外作用(肝臓での糖新生抑制、骨格筋などでの糖取り込み能改善)の2つによって血糖降下作用を示します。これらによりインスリン分泌低下型、インスリン抵抗性亢進型のいずれの病態であっても効果が期待できるという特徴があります。製品名は、2つを意味する“twin”と一般名の“imeglimin”に由来しています。 2型糖尿病患者を対象とした長期投与試験において、単独療法または併用療法でHbA1c改善効果を示し、52週にわたってその効果が維持されました。 主な副作用には、悪心、下痢、便秘などがあります。重大な副作用として低血糖(6.7%)が報告されていますが、本剤の作用によるインスリン分泌はグルコース濃度依存的で、低血糖時にはインスリンを分泌させないことが報告されており、単剤使用での重症低血糖のリスクは低いと考えられます。 腎機能障害のある患者では、腎臓からの排泄が遅延し、本剤の血中濃度が上昇する恐れがあることから、eGFRが45mL/min/1.73m2未満(透析を含む)の患者への投与は推奨されていません。 注意すべき点は、メトホルミンとの併用により消化器症状が増大する恐れがあることで、両者が併用されていたら疑義照会が必要と考えられます。また、インスリン製剤やSU薬、速効型インスリン分泌促進薬と併用すると低血糖のリスクが上がるため、これらの薬剤を併用する際には減量の検討が必要です。 | ||
8. 製造販売元など | ||
製造販売元:大日本住友製薬株式会社 お問合せ先:大日本住友製薬株式会社 くすり情報センター 0120-034-389 |