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1. 承認概要 | ||
新有効成分 2021年6月 / 2021年8月 発売 | ||
2. 薬効分類名 | ||
ヒト抗CGRP受容体モノクローナル抗体製剤 | ||
3. 一般的名称 | ||
エレヌマブ(遺伝子組換え)注 | ||
4. 適応症 | ||
片頭痛発作の発症抑制 | ||
5. 類薬との比較 | ||
6. 特徴 | ||
【特徴】 本剤は、4週間に1回1本を投与する注射剤であり、片頭痛発作の発症を抑制することが期待されています。 【承認状況】 海外では、2018年5月に米国で承認されて以降、71の国と地域で承認されています(2021年5月現在)。 【作用機序】 本剤は、世界で初めて承認されたカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)関連の抗体医薬品であり、わが国では2021年4月にガルカネズマブ(商品名:エムガルティ)、同年8月にフレマネズマブ(同:アジョビ)が発売されました。この2剤は頭痛の原因となるCGRPに結合して活性を阻害しますが、本剤はCGRPの受容体に直接作用し、CGRPの結合を防いでシグナル伝達を阻害します。 【用法・用量】 通常、成人にはエレヌマブ(遺伝子組換え)として70mgを4週間に1回皮下投与します。 なお、本剤投与開始後3ヵ月が経過しても症状の改善が認められない場合や、頭痛発作発現の消失・軽減などにより日常生活に支障を来さなくなった場合は、本剤の投与中止を考慮します。 【副作用】 片頭痛患者を対象とした国内第III相試験において、副作用はプラセボ群で3.1%(4/131例)、本剤投与群で8.5%(11/130例)が認められました。主な副作用は、便秘、注射部位反応(紅斑、そう痒感、疼痛、腫脹など)、傾眠などでした。 なお、重大な副作用として、発疹、血管浮腫およびアナフィラキシーを含む重篤な過敏症反応と重篤な合併症(腸閉塞、糞塊、腹部膨満およびイレウスなど)を伴う便秘が海外で報告されています。 | ||
7. 使用上の注意と服薬支援 | ||
【薬剤師への注意】 1.凍結を避けて冷蔵庫(2~8℃)で保管してください。冷蔵庫から取り出した後は、30℃を超えない場所で外箱から出さずに遮光を保って保存し、7日以内に使用してください。 2.本剤は発現した頭痛発作を緩解する薬剤ではないので、本剤投与中に頭痛発作が発現した場合には必要に応じて頭痛発作治療薬を頓用させてください。 3.本剤投与後に、重篤な合併症を伴う便秘が発現する場合があることを患者に説明し、便秘が回復しない又は悪化する場合には医療機関を受診するように指導してください。 4. 本剤の注射針カバーは天然ゴム(ラテックス)を含み、アレルギー反応を起こす恐れがあるため、投与に際してはアレルギー歴の確認が必要です。 【患者さんへの指導例】 1.この薬は、片頭痛に関与するとされる神経ペプチドの受容体をブロックすることで、片頭痛発作の発現を予防します。 2.発熱、発疹、まぶたや口唇周囲の腫れ、呼吸困難など、アナフィラキシーが疑われる症状が現れた場合は、すぐに報告・受診してください。注射後1週間以上経過してから発現することもあります。 3.まれに重い便秘症状が現れることがあります。とくに初回投与後は便通の変化に注意し、便秘症状が続く場合には早めにご連絡ください。 【ここがポイント!】 片頭痛が起きる成因として、三叉神経から放出された神経ペプチドであるCGRPがCGRP受容体に結合することで、血管が過度に拡張して炎症が波及して片頭痛発作が起こるという説が有力です。予防にはロメリジン、バルプロ酸、プロプラノロール、アミトリプチリン、ベラパミルなどが用いられています。効果を得られない患者も少なくありませんでしたが、抗体医薬品が登場したことにより、片頭痛の治療選択肢が広がりました。 CGRP関連薬剤は4週間に1度(フレマネズマブは4週間に1度あるいは12週間に1度)の皮下投与で予防効果を発揮します。なお、すでに発現している片頭痛発作を緩解する薬剤ではないため、本剤投与中に発作が発現した場合には、必要に応じてトリプタンなどの急性期治療薬を使用します。 本剤のデバイスはオートインジェクターであり、外箱を冷蔵庫から取り出し、30分以上待って室温に戻してから使用します。現状は自己注射が認められておらず、原則として外来受診時の投与となります。 主な副作用として、便秘、注射部位反応、傾眠などが報告されています。便秘の既往歴を有する患者および消化管運動低下を伴う薬剤を併用している患者では発現リスクが高くなる恐れがあるので注意が必要です。 | ||
8. 製造販売元など | ||
製造販売元:アムジェン株式会社 お問合せ先:アムジェン株式会社 メディカルインフォメーションセンター 0120-790-549 更新:2024/07/07 図、自己注射 不可→可能 |