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2024年6月製造販売承認

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■アウィクリ注 フレックスタッチ 300単…
■ アウィクリ注 フレックスタッチ 300単位/700単位
アウィクリ注 フレックスタッチ 300単位
1. 承認概要
新有効成分 2024年6月 / 2025年1月 発売
2. 薬効分類名
週1回持効型溶解インスリンアナログ注射液
3. 一般的名称
インスリン イコデク(遺伝子組換え)
4. 適応症
インスリン療法が適応となる糖尿病
5. 類薬との比較

主な類薬として毎日投与(患者さんによっては1日2回投与)の基礎インスリンアナログ製剤であるインスリン グラルギン(ランタス、ランタスXR)、インスリンデテミル(レベミル)、インスリン デグルデク(トレシーバ)などがあります。これらの作用時間は約24時間~40時間以上です。
一方、本剤は1週間に一回の投与で、作用持続時間は約7日間となっています。
6. 特徴

【特徴】
週に1回の投与で効果が持続する世界初のインスリンアナログ製剤で、総量300単位と総量700単位の2つの製剤があります。これらの製剤は、専用の注入器であるフレックスタッチを用いて皮下投与します。自己注射可能です。

【承認状況】
本剤は、スイス及びカナダで2024年3月に最初に承認され、カナダ、中国及びドイツで販売されています(2024年12月時点)。  国内では国内では、2024年6月に承認されました。 

【作用】
 最大の特徴は、週に1回の投与で安定した血糖コントロールが期待できる点です。有効成分であるインスリンイコデクが血中のアルブミンと結合することで、体内からの消失が緩やかになり、約7日間効果が持続します。 従来の基礎インスリンと比較して7倍濃い、700単位/mLの濃度で製造されています。

【用法・用量】
通常、成人では、1 週間に 1 回皮下注射します。初期は通常 1 回 30~140 単位とし、患者の状態に応じて適宜増減します。他の インスリン製剤を併用する場合、これを含めた維持量は、通常 1 週間あたり 30~560 単 位です。

【副作用】
重大な副作用として、低血糖やアナフィラキシーショック(頻度不明)があります。低血糖は臨床的に回復した場合にも再発することがあるので、継続的な観察が必要です。とくに、本剤は週1回投与の持続性がある薬ですので、回復が遅延する恐れがあります。
その他の主な副作用として、糖尿病性網膜症、体重増加(1~5%未満)、注射部位反応、空腹、浮動性めまい、悪心・嘔吐、多汗症、筋痙縮(0.2~1%未満)などがあります。

 

打ち忘れた時の対処(患者向け資材より)
7. 使用上の注意と服薬支援

【薬剤師への注意】
1. 本剤を 1 週間に 1 回投与する投与量は、それまで連日投与していた Basal インスリンの 1 日総投与量の 7 倍に相当する単位数を目安とします。それ以外については添付文書を参照してください。打ち忘れた場合: 注射するタイミングを忘れてしまった場合は患者向け資材で説明してください。

【患者さんへの指導例】
1.この薬は、インスリンの基礎分泌を補充する週1回の注射薬です。同一曜日に投与してください。
2.注射は、お腹、太もも、または上腕に行います。毎回同じ部位に注射する場合は、前回の場所から2~3cmずらして注射してください。
3.操作方法は以下の通りです。
・本剤を投与する前に、単位合わせダイアルを1クリック(10単位)回して空打ちを行ってください。
・皮下注射に当たっては、ダイアル表示が「0」に戻り、「カチッ」という音 がするまで注 入 ボタンを真上から押してください。「カチッ」という音がしてから6秒以上おいて、針を抜いてください。
・注射のたびに必ず新しい注射針を使用してください。
3.保管方法は以下の通りです。
使用開始前: 凍結を避け、冷蔵庫(2〜8℃)で保管してください。光を避けて保管することが重要です。
使用開始後: 室温(30℃以下)で、キャップなどにより光を避けて保管し、6週間以内に使用してください。冷蔵庫に保管することも可能ですが、凍結させないでください。
4.インスリン注射で最も注意が必要なのは低血糖です。高所での作業や自動車の運転など、危険を伴う作業に従事しているときに低血糖を起こすと事故につながる恐れがありますので、とくに注意してください。
<低血糖症状> 空腹感、冷や汗、手足の震え、動悸、だるさ、目のかすみなどの症状
本剤の場合、特に注射後2~4日後に低血糖が多く認められることがあります。
低血糖の症状があらわれた場合は、すぐにブドウ糖や砂糖を含む飲み物、食べ物を摂取してください。


【ここがポイント!】

・初回の空打ちは10単位を1回です。
・注射デバイスはフレックスタッチで、皮下注射するごとに注射針を取り替えます。
・​低血糖が起きやすいのは注射後2~4日です。


患者向け資材
8. 製造販売元など
製造販売元/ノボ ノルディスク ファーマ株式会社
文献請求先及び問い合わせ先 ノボ ノルディスク ファーマ株式会社 ノボケア相談室
〒100-0005 東京都千代田区丸の内 2-1-1 Tel 0120-180363(フリーダイアル)

添付文書: アウィクリ注 フレックスタッチ 300単位/700単位
 
(文責 下平秀夫) 2025年4月