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1. 承認概要 | ||
新有効成分 2023年2月 / 2024年4月 発売 | ||
2. 薬効分類名 | ||
内臓脂肪減少薬(要指導医薬品) | ||
3. 一般的名称 | ||
オルリスタット | ||
4. 適応症 | ||
腹部が太めな方※の内臓脂肪および腹囲の減少(生活習慣改善の取り組みを行っている場合に限る) ※腹囲(へその高さ):男性85cm以上、女性90cm以上 | ||
5. 類薬との比較 | ||
6. 特徴 | ||
本剤は、脂肪吸収阻害作用をもつオルリスタットを有効成分とした内臓脂肪減少薬です。 わが国では医療用での発売を経ずに直接OTCとして承認された、ダイレクトOTC薬であり、「要指導医薬品」となります。ダイレクトOTCとして、2019年3月に承認申請が行われていましたが、申請から審議までに3年半以上かかっていました。 【販売する薬剤師】 アライ専用eラーニング研修を修了した薬剤師のみが販売可能となっています。 【対象の方】 販売対象には条件があり、(1)18歳以上(2)肥満症ではない(3)腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上(4)3カ月以上、食事・運動への取り組みを行っている、(5)1カ月の体重や腹囲など生活習慣記録があることなどがあげられます。 具体的に、「肥満症」は肥満に加え糖尿病や高血圧などの健康障害(疾患)が一つ以上ある場合です。BMI35以上の場合は健康障害がなくても「高度肥満症の可能性あり」、BMI35以上で健康障害があれば「高度肥満症」として治療の対象で、本剤の対象からはずれます。本剤の対象はBMI35未満かつ健康障害がない人で、本剤は、肥満症の予防薬にあたります。 本剤の服用と合わせて、運動や低カロリーな食事と組み合わせることで、内臓脂肪が減少し、結果として腹囲の減少へと導くことが期待できます。 【チェックシート】 初めての方のチェックシートはこちら(大正製薬情報サイト) 【生活週間を記録】 購入者は生活習慣記録用シート(食事・運動内容や腹囲、体重記録など)に毎日記録し、来店時に薬剤師がシートを確認します。
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7. 使用上の注意と服薬支援 | ||
【作用機序】 オルリスタットは膵臓から分泌され、小腸で脂質を分解する酵素であるリパーゼの活性を阻害し、食事由来の 脂質の吸収を抑制します。食事をして本来吸収されていたはずの油分が、簡単に見て取れるほどの量が便として排出されます。摂取した脂肪の約25%の初節が期待できるとのことです。 【発売】 2024-04-08発売 【用法】 次の量を食事中又は食後1時間以内に水又はぬるま湯で服用します。 成人(18才以上) 1カプセル 1日3回 18才未満は適応外です。 【副作用】 脂肪分の消化吸収を阻害するため、油の多い食事を摂取すると下痢なりやすいことがあげられます。また、油分を多く含んだ便を排出するために、自覚なしで肛門から排出されてしまう「油漏れ」が起こることがあります。これを薬剤師がどのように説明するのかがポイントになってきます。 本剤の脂肪分消化吸収阻害作用により脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)の吸収が阻害されタミン欠乏症を引き起こす恐れがあるので注意が必要です。例えば骨粗鬆症で活性型ビタミンDを服用中の方には本剤は適さないと考えられます。 【海外での使用状況】 本剤は、120mgカプセルが医療用医薬品として1997年8月にアルゼンチンで初めて承認され、その後、欧州や米国を中心に100ヵ国以上で承認されています。 さらに、医療用医薬品の半分の用量である60mgカプセルが、一般用医薬品として2007年2月に米国で初めて承認され、その後、欧州を中心に70ヵ国以上で承認されています。 欧米など70カ国以上でオルリスタット60mgカプセル(本剤と同一製剤)がOTC薬として承認されています。 | ||
8. 製造販売元など | ||
大正製薬 OTCに関する電話問い合わせ 03-3985-1800 2024.03.14 発売について、対象患者、薬剤師のe-ラーニング等について加筆 20024.04.25 参考 https://pcommunity.m3.com/board_threads/288118 |