日本医薬品情報学会 会誌 JJDI ■HP紹介■ 2002.9寄稿 |
薬剤師職能団体 |
|
文責 下平秀夫 |
(株)八王子薬剤センター 教育・情報部 |
|
最近、医薬品に関わる医療事故や医薬分業に対して、国民の厳しい視線が注がれている。病院薬剤師においては、人員配置基準に関する検討会で、病棟における薬剤師の臨床教育の不足等多くの課題が指摘された。 |
一方、わが国では毎年約8,000名の薬剤師が生まれている。厚生労働省が2001年3月、薬剤師供給予測に関する分析を持ち出すまでもなく、数年後には薬剤師需要も上限となると考えられている。このような厳しい背景の中、薬剤師職能団体の役割は益々その重要性が高まっている。 |
今回は、わが国と米国の薬剤師職能団体のホームページを取り上げてみたい。 |
|
1-1. 日本薬剤師会 |
http://www.nichiyaku.or.jp/ |
|
本会は、2002年度の活動内容として、国民の医療・福祉の向上に資するため、医療制度改革及び規制改革等の動向に留意しつつ、医薬分業の質的向上、病院薬剤師業務の充実、薬学教育6年制実現に向けた取り組み、また健康日本21運動への協力、セルフメディケーションの推進、一般用医薬品の拡大・活用対策等の事業の実施することをあげている。 |
一般向けページでは以下のものが掲載されている。医薬及び薬事情報、日本薬剤師会の紹介、医薬分業Q&A、入会のご案内、医薬分業進捗状況、消費者くすり相談窓口一覧、薬剤師とは、くすりQ&A、基準薬局とは、くすり関係リンク集、ゲット・ジ・アンサーズ運動とは 都道府県薬剤師会リンク等。 |
医薬分業進捗状況の項では、都道府県別の分業率(受け取り率)が掲載されている。インターネット・ホームページ関連事業について、さらに詳しくは本誌前号(Vol.4.No.1(2002))を参照されたい。 |
|
■図1-2. 日本薬剤師会雑誌索引検索 |
http://db1.nichiyaku.or.jp/zasshi/ |
|
会員向けページの閲覧にはIDとパスワードが必要である。これは、日本薬剤師会会誌の巻末に記載されている。 |
会員ページの内容は以下の通りである。 |
日薬からのお知らせ・通知類、薬価基準収載情報、報告書・資料、健康日本21コーナー、介護保険の部屋、日薬ニュースバックナンバー、動画配信。 |
また、調剤事故防止対策ホームページ、くすりのしおり(RAD-AR協議会)薬健康教育指導指針」ホームページ、日本薬剤師会学術大会開催(予告)等にリンクしている。DSU解説、新医薬品について、研修会に関する掲示板、医薬品等安全性情報報告書、日薬情報関連事業として、日薬メールニュース、JAPICデータベース提供事業、薬剤イベントモニタリング(DEM)、日薬情報BOX(FAX版)、日薬情報BOX on the Web 等へのリンクもある。 |
この他日本薬剤師会雑誌索引検索もあり、過去の索引(タイトル、巻、号、ページ、著者)がデータベース化されており大変便利である。 |
図1-2は引検索を行った例を示している。登録データ件数は6014件で、1985年から2002年7月までの日本薬剤師会雑誌の索引を検索できる(2002年8月現在)。著者を「山本」で検索すると21報がヒットした。 |
|
|
2-1.日本病院薬剤師会 |
http://www.jshp.or.jp/ |
|
本会は、病院・診療所に勤務する薬剤師の倫理的及び学術的水準を高め、薬学特に専門分野である臨床薬学、病院薬学及び病院薬局業務一般の進歩発展を図ることによって国民の厚生福祉の増進に寄与することを目的としている。 |
|
2-2.プレアボイドオンライン報告へようこそ! |
http://www.jshp.or.jp/naiyo/4kaipage/flame/flame0.htm |
|
会員向けページの閲覧にはIDとパスワードが必要である。これは、日病薬誌の巻末に記載されている。会員向けページの掲載項目は以下の通りである。 |
日病薬ニュース、行事予定、委員会活動、会議議事録、学会・研修会等のご案内、プレアボイド、日病薬賠償責任制度、薬剤管理指導承認届出数、薬剤管理指導記録様式、各種認定制度、BSデジタル放送番組、掲示板、緊急安全性情報、日病薬関係諸規程等。 |
掲示板では、会員からの質問などに対して広報担当委員が丁寧に答えている。 |
プレアボイドオンライン報告へようこそ!は、プレアボイドを初めてオンライン報告をするための案内ページである。 項目は、プレアボイドQ&A、プレアボイドオンライン報告する、プレアボイド事例一覧等。 |
プレアボイド事例一覧には現在65件が掲載されている。 |
|
図2-2.は、プレアボイド事例一覧のうちの1例である。 |
http://www.jshp.or.jp/preavoid/open/2.htm |
塩酸イミダプリル投与する患者の退院時に、薬剤師がアンジオテンシン変換酵素阻害薬の重大な副作用である「血管浮腫」の初期症状について文書とともに事前に説明した。後日、患者が電話でこのような症状があると訴えたことにより副作用を回避できた例である。 |
|
3. 日本女性薬剤師会 |
http://www.niti-joyaku.com/ |
|
日本女性薬剤師会は1966年に設立した、女性の薬剤師で構成される全国組織の団体である。本サイトの構成は、本会の成り立ち、基本的活動内容、主催する研修会や学会のお知らせ等となっている。 |
|
4.日本製薬団体連合会 (略称 日薬連) |
http://www.fpmaj.gr.jp/ |
|
本会の目的は、医薬品工業の発達に必要な事項について調査研究し、その実現に努力し、会員相互の親睦、連絡及び啓発をはかり、加盟団体構成員の事業に共通の利益を増進して、医薬品工業の健全な発達並びに国民生活の向上に寄与することとしている。 |
医薬品製造業者を会員とする地域別団体(東京、大阪等各都道府県に所在する22団体)および業態別団体(医療用、一般用等各業態別による13団体)により構成されている。 |
本サイトに掲載されているのは、概要、組織図、機構図、委員会業務、自主申し合わせ、薬務行政通知速報、医薬品等承認情報、保険薬価研究委員会(会員用)、リンク集等である。 |
薬務行政通知速報は随時更新され、医薬品等承認情報は毎月更新されている。 |
|
|
5-1. 日本製薬工業協会ホームページ |
http://www.jpma.or.jp/ |
|
製薬協(日本製薬工業協会)は、新薬の開発によって社会への貢献をめざす製薬会社が加盟している任意団体である。会員各社が製薬企業に共通する問題について、社会の理解を得つつ解決をはかり、医薬品産業の健全な発展をめざすことを目的としている。2002年1月現在、外資系企業を含む82社が会員となっており、15の委員会、検討会の活動を通じて事業を展開している。 |
また、医薬品製造業者の全国組織である日本製薬団体連合会(日薬連)やIFPMA(国際製薬団体連合会)に加盟している。 |
|
5-2.ゲノム情報コーナー |
http://www.jpma.or.jp/kusuri/index_kusuri.html |
|
図5-2.は製薬協ホームページのくすり情報館の中にあるゲノム情報コーナーページであり、以下の7項目が掲載されている。ゲノム情報コーナー、ゲノムQ&A、遺伝子情報とゲノム創薬について、ゲノム創薬/用語解説、インタビューシリーズ、ゲノムLINK集、フォーラム案内。 |
|
6-1.
American Pharmaceutical Association (APhA) |
米国薬剤師会 |
http://www.aphanet.org/ |
|
APhAは1852年に設立された、全米最大の薬剤師の団体である。現場の薬剤師と、研究職にある薬剤師、薬学生、ファーマシーテクニシャン他の5万人以上が会員となっている。 |
本会は米国の薬剤師がファーマシューティカル・ケアの提供を通して米国民の健康に寄与するために必要な専門情報や薬剤師教育を指導している。本サイトは以下の19の部門に分かれている。 |
About
APhA、Site Guide、Consumer Info、Education、APhA Foundation、Pharmaceutical Care、Join APhA、Books/Products、Professional Development、Meetings、Gov. Affairs、Drug Recalls/FDA
Alert、Public
Relations & Media、JAPhA、Pharmacy Today、Science and Research、Students、Links、Search。 |
|
|
7-1. The
American Society of Health-System Pharmacists (ASHP) |
米国医療薬剤師会 |
http://www.ashp.org/ |
|
ASHPは病院その他の医療機関で働く薬剤師の団体で約30,000名の会員を有する。薬の安全性の確保や、最適な投与方法を実現するため、会員の患者へのファーマシューティカル・ケア実践の向上を支援している。 |
|
About us(米国薬剤師会の活動の紹介)、Practice
resource areas(実務の支援)、Products and services(刊行物)の3つに分かれている。 |
実務支援では、Acute inpatient care、Practice management、Ambulatory care、Clinical specialists、Home care、Long-term
care / Chronic care、Managed
care、New practitioners、Students、Technicians、Patient
safetyの11の部門に分かれている。 |
刊行物では、ASHPが発行しているAmerican
Journal of Health-system pharmacy、AHFS Drug Informationなどのサイトにリンクしている。 |
|
7-2.ASHP
マネージドケアのページ |
http://www.ashp.org/managedcare/index.html |
|
ASHPホームページのPractice resource areas(実務の支援)の中のマネージドケアのページである。 |
この分野で活動する薬剤師はHMOs、PMMsや他のマネージドケアの組織に属している。直接的な患者ケアを提供し、どのような治療が最も効果的であるか検討するために患者を 直接モニターし、薬局の財務を企画、運営し、各種薬学、治療学協会に参加している。 このページはこれらの薬剤師の活動を支援するため各種情報を提供している。ちなみにページ上部ではASHP刊行物のバーナー広告が掲載されている。 |
|
■ 連載寄稿終了にあたって |
|
本誌が医薬品情報を扱う会誌ということから、医療系のホームページの紹介をさせていただき、今回で10回目を数えました。この連載は今回をもって終了させていただきます。いままで暖かくご支援いただき誠にありがとうございました。 |
本会、日本医薬品情報学会(JASDI)ホームページも学会となったことを機に、更に内容を充実させていきたいと思っています。今後ともご支援の程宜しくお願いいたします(下平)。 |
JASDI( http://jasdi.jp/ ) |
|