医薬品情報学HP紹介

ネチケットに関するサイト

JJDI 2000.2:181-184 (HP リンク)日本医薬品情報学研究会会誌

by shimo

インターネットは老若男女問わず世界中の不特定多数の人に向かって情報を発信でき
るところに大きな特徴がある。その一方で不用意な発信により、他人に迷惑を与えた
り、人権侵害に当たるような事例もある。
今回は、ネチケットに関するサイトの紹介を致したい。ネチケットnetiquetteとは、
コンピューターネットワークのユーザーが電子掲示板や電子メールを利用するときに
心得ておくべきマナーで、network とetiquetteの合成語である1)。

1 「インターネットを利用するためのルール&マナー集」電子ネットワーク協議会(enc)
http://www.enc.or.jp/enc/code/rule/index.htm

電子ネットワーク協議会はインターネットを利用する際に常識的と考えられるルール
やマナーをできる限り集めて公表し、インターネットを利用する際のトラブルをでき
るだけ減らせるように啓発活動を行うことを目的としている。
まず総則として、インターネットを利用するときに一般的に知っておいた方が良い事
項を説明している。次に各論として、電子メール、電子掲示板・ニュースグループ・
メーリングリスト、ホームページやオンライン・ショッピングといった、インター
ネット上の各サービスを利用する際にそれぞれ知っておいた方が良い事項を載せてい
る。
各項目のタイトルの横には、項目のねらいを示す目安として★/☆印がつけられてい
る。★のついたものはインターネット利用時のトラブルから自身を守るための項目、
☆のついたものはインターネット利用における他者への配慮について解説した項目で
ある。

2 「電子メール社会のエチケット」和田豊郁氏
http://www.med.kurume-u.ac.jp/med/hosp/toy/netiquette/

久留米大学病院情報部 和田 豊郁氏が開設している。特に電子メールを利用する上で
のネチケットをやさしく紹介している。
・ネチケットは何のため?みんなのために! ・読めない文字を使わない・ウィルス
に感染していませんか?・複数のメーリングリストで同時に質問しない  ・ネチケッ
ト関係のリンク集 などの項目がある。

3 「電子メールの文章作法−インターネットメールの基礎知識−」上田純美礼氏
http://www.demeken.co.jp/~sumire/mail/

デジタルメディア研究所の上田純美礼氏が開設している。
このサイトは氏が専任講師を務めている神奈川情報文化専門学校電子メールの書き方
についての授業のために作成したものである。WindowsやMacintoshなどで電子メール
を書くために知っておくべきことがらを中心に解説している。「情報の科学と技術」
Vol.47 No.6に発表した「電子メールの文章作法」を元に、加筆修正を加えたもであ
る。

4 「メディカル・ネチケット」西藤なるを氏
http://www.children.or.jp/ml/mnf_ML/index.htm

 西藤こどもクリニックの西藤なるを氏が開設している。このサイトは、ネットワー
クを利用し患者へ医療情報を提供する場合のマナーや、または患者が情報を利用する
際の注意点についてまとめたもの。メディカル・ネチケット・フォーラム(mnf-ML)と
いうメーリングリストも開設している。
また、「インターネット上の医療情報の利用手引き(JIMA)」
http://www.children.or.jp/medneti/jima/index.htm

を公開している。新しい問題が生じるとJIMA運営委員会で逐次更新していく予定とし
ている。項目には、電子メールによる個別の医療相談の利用について、トラブルに
遭った場合についてなどが含まれている。
現在ネット上で行われている医療相談の多くは診療契約が結ばれていないなどの問題
点があげられている。西藤こどもクリニックは小児喘息サイトの「こどもと喘息」で
も有名である。

5 「Disney Online サイバーネチケットコミック」Disney Online
http://www.disney.co.jp/cybernetiquette/

ディズニーオンラインのネチケットページ。馴染みのキャラクターがインターネット
の決まりごとを楽しく紹介している。ここは、子供が家族とともにオンライン・セイ
フティーについて対話形式で楽しく学ぶことができるようにしている。3つの物語が
動画で用意されており、第1話は、「うそつき狼」の巻、安易に自分の情報を他人に
知らせることの危険性について述べている。第2話は、「あぶないリンゴ」の巻、コン
ピュータ・ウィルスの危険性とプロバイダーへの報告について、第3話は「インター
ネット・マニア」の巻、チェーンメールの危険性と対処について述べている。

6 「情報処理振興事業協会(IPA)セキュリティーセンター」情報処理振興事業協会
(IPA)
http://www.ipa.go.jp/security/index.html

情報処理振興事業協会[IPA: Information-technology Promotion Agency, Japan]
http://www.ipa.go.jp/

は「情報処理の促進に関する法律」に基づいて1970年に設立された政府関係機関(特
別認可法人)である。情報処理の振興を図るため、プログラムの開発及び利用の促
進、情報処理サービス業等を営む者に対する助成、ソフトウェアに関する研究開発等
の事業を実施している。
IPAホームページは、情報セキュリティの必要性に関する情報提供及び啓発活動情報
を行っている。国内外のウイルス被害の実態、不正アクセス対策技術動向の調査報告
書や、情報セキュリティ全般に対する現状と今後の動向等をホームページ等で公開し
ている。また、FAX、e-mail等により被害の届出を受け付けており、件数及び被害の
概要と対策を、毎月プレス発表し、これらの相談内容がFAQとしてまとめてIPAホーム
ページ上に公開されている。

インターネットはもともと多数の善意から構築されたコンピューターネットワークで
ある。しかし、その便利さゆえに最近様々な事件や弊害が指摘されるようになってき
た。
ネット上での適切な情報の流通には、情報を公開する側や利用者ひとりひとりのここ
ろがけが必要である。そのためには、最低限のネチケットを知っておくことが重要で
ある。

参考文献

1)金田一春彦、石毛直道、村井純ら、新世紀ビジュアル大辞典 : 学習研究社、
1998:1970