薬学実務実習の過去・現在・未来
■1. 過去 2010年~ <プロセス基盤型> 6年制最初の実務実習
薬剤師を養成する2006年4月入学の6年制の第1期生が、実務実習を開始したのは5年生の2010年5月です。
当時は「プロセス基盤型」の実務実習でした。GIOとSBOsという新しい言葉が登場しました。
4年制教育から6年制教育への変遷についてはこちらに解説しています。
■2. 現在 2019年~ <学習成果基盤型>
2013年に改訂された「薬学教育モデル・コアカリキュラム」に従って、「薬学実務実習に関するガイドライン」では、「学習成果基盤型教育」(OBE)の考え方に基づく、F 薬学臨床の中項目 GIO(5 項目)の到達度を指標とした評価が求められました。
・薬学部の実務実習は3期制から4期制に変更
・がん,高血圧症など8種の臨床で学ぶべき代表的な疾患が提示されました(一部の実習では偏りが見られたため)。
・責任ある主観で、ルーブリック評価表を用いた概略評価を行うことになりました。
・概略評価として、指導薬剤師と実習生が、定期的(2~4 週間毎を目安)に、概略評価表を基に評価を行い、実習の振り返りを行うことで実習生がどの程度、何が成長したかを4段階で評価する。
・薬学実務実習に関するガイドライン(2015年2月連絡会議)
改訂モデル・コアカリキュラムに準拠した大学の臨床準備教育及び薬学実務実習を適正に実施するための指針です。
■3. 未来 2028年~ <問題解決型>
「薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)」として、2023年2月に公表されました。本カリキュラムは2024年4月入学生から導入予定され、こちらに概要をつぶやきました。これに基づく実務実習は2028年度から実施予定です。日本の医療人(医療人に関わらずですが・・)は規則正しく定時業務はこなせるけれど、いざという時に自分の判断で問題解決ができないといわれていますね。